アプリクーポンの効果とは？導入すべきか判断するときの４つのポイントをご紹介

「新規顧客獲得のため、アプリを導入したけど思うように利用者が増えない…」 「アプリクーポンって効果はあるの？ 」

近年、多くの企業や店舗が、顧客とのエンゲージメント強化や集客のために、スマートフォンアプリを導入しています。そのなかで、アプリの「クーポン機能」を搭載しているものも多く、アプリクーポンは、アプリの利用促進や顧客ロイヤリティの向上に効果的だとして注目されています。

しかし、アプリクーポンの導入は、自社の事業戦略やターゲット、そして費用対効果などを考慮した上で慎重に検討する必要があります。
そこで本記事では、アプリクーポン導入のメリット・デメリットを踏まえ、導入すべきか判断するために押さえておくべき５つのポイントを解説していきます。

アプリクーポンとは？

アプリクーポンとは、スマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイス上で発行・利用できるクーポンのことを指します。このほか、デジタルクーポン、電子クーポンとも呼ばれています。
アプリクーポンは従来の紙クーポンと比べて、印刷や配布の手間が省け、紛失のリスクも少ないというメリットがあります。また、クーポン利用状況の追跡や分析が容易なため、マーケティング活動への活用も期待できます。

店舗アプリにおけるクーポン機能

店舗アプリにおいて、クーポン機能は顧客とのエンゲージメントを高めるための有効な手段となります。プッシュ通知やアプリ内メッセージを通じてタイムリーにクーポンを配信することで、顧客の来店意欲の向上や購買促進を図ることができます。また、顧客データを活用すれば、属性や購買履歴に応じてニーズに沿った内容のクーポンを出し分けることも可能です。

会員証アプリとしての利用

また、店舗アプリには会員証を統合できるものもあり、クーポンと会員証をアプリで一元管理できるようになることで顧客の利便性をさらに向上させることができます。来店頻度や購買金額の向上も目指すことができるでしょう。顧客データのセグメントだけではなく、会員ランクに応じたクーポンを活用した施策を行うこともできるようになります。

アプリクーポンの効果

集客効果

無料クーポンによる新規顧客の獲得

無料クーポンは、新規顧客獲得のために効果的です。商品やサービスを無料で体験できる機会を提供することで、顧客の興味関心を引き付け、初来店・初購入を促すことができます。無料クーポンを利用して獲得した顧客に対しては、その後のリピート購入を促進するための施策を展開すると更なる売上向上が期待できます。

店舗利用率の向上

割引クーポンによるリピーターの増加

割引クーポンは、リピーターの増加に効果的な施策です。再来店のきっかけを提供することで、顧客の購買意欲を高め、継続的な利用を促進することができます。また、顧客の購買履歴や嗜好に合わせたパーソナライズ化された割引クーポンを配信することで、顧客満足度を高め、ロイヤルティ向上に繋げることも可能です。

情報配信の効率化

アプリのプッシュ通知を活用して店舗情報を提供

アプリクーポンの導入は、単にクーポンの配信をするだけではなく、プッシュ通知を活用して顧客に新商品やイベント等の店舗情報も同時に配信することができるようになり、業務の効率化を図れるとともに、顧客の利便性を高められコミュニケーション活性化にも貢献します。

アプリクーポン導入のメリットとデメリット

つぎに、アプリクーポン導入のメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。

メリット

アプリクーポンを導入することで、企業・店舗は以下のようなメリットを得られます。

１．新規ユーザー獲得の促進

アプリクーポンの効果でも解説しましたが、新規ユーザー獲得を促進できる点が、アプリクーポンを導入することで得られるメリットのひとつ。例えば、アプリインストール後初回限定の割引クーポンを提供することで、ダウンロードを迷っていたユーザーの背中を押す効果が期待できます。また、クーポンコードを友人や家族に紹介できる仕組みを導入すれば、口コミや紹介による新規ユーザー獲得も見込めます。

２．既存ユーザーの利用頻度向上

アプリクーポンは、休眠ユーザーの再活性化や、既存ユーザーの利用頻度向上を狙うことができます。例えば、一定期間利用のないユーザー限定のクーポンを配信したり、特定のアクション（特定の商品の購入やサービスの利用など）に対してクーポンを付与したりすることで、来店期間が空いていたユーザーに対してのアプローチが可能になります。

３．売上増加

クーポンによる割引や特典は、ユーザーの購買意欲を高めることに繋がり、結果的に売上の増加が期待できます。単なる割引ではなく、購入金額や購入個数に応じたクーポンを設定すれば、客単価アップやまとめ買いを促進する効果が期待できるでしょう。

４．クーポン利用率の向上

アプリクーポンは、紙のクーポンと比べて利用率を向上させやすいというメリットがあります。紙のクーポンは枚数が多いと持ち運ぶときにかさばったり、管理が煩雑だと感じる方もいるでしょう。気づいたら利用期限が過ぎてしまっていて使えずに処分、なんてことも少なくないはずです。
一方、アプリクーポンはその点、アプリをダウンロードしてしまえば何枚所有していても、かさばることはありません。また、スマホ内で管理ができるので、使い忘れてしまうというケースも高確率で避けられるため、利用率を向上させることができるのです。
プッシュ通知でクーポンの有効期限をお知らせすることも利用率向上に効果的です。

デメリット

一方で、アプリクーポン導入には以下のようなデメリットも考えられます。

１．収益減の可能性

クーポンによる割引は、短期的に見ると収益減に繋がる可能性があります。そのため、クーポン発行による売上増加と収益減のバランスをしっかりと見極める必要があります。長期的な視点で、顧客生涯価値（LTV）向上と、企業や店舗の売上向上に繋がるかどうかを考慮することが重要です。

２．ブランドイメージの低下

クーポンを頻繁に発行しすぎてしまうと、安売りイメージが定着し、ブランドイメージを損なう可能性があります。そのため、クーポン発行の頻度やターゲットは慎重に検討する必要があります。プレミアムなイメージを維持したい場合は、ターゲットを絞った限定的なクーポン発行や、割引以外の特典（ポイント付与や送料無料など）を検討するのも有効です。

３．アプリ運用のコストが発生

アプリクーポンは、紙のクーポンにかかる印刷費などはかかりませんが、アプリ運用のコストが発生する場合があります。そのため、アプリクーポンに限らず、アプリを導入する際にかかる販促コストを全体像で捉え、その費用対効果を考慮する必要があります。

４．不正利用のリスク

アプリクーポンは、不正利用をされてしまうリスクがあります。クーポンを発行する際に、利用条件を必ず提示するようにしましょう。QRコードを読み取って利用するクーポンの場合は、読み取りの範囲設定をしたり、クーポン利用時には、レジで必ず店員が利用済み画面の確認を徹底するなど、不正利用を防ぐための対応策を事前に考え、スタッフ全員に周知しておくことが重要です。

アプリクーポンを活用するときの４つのポイント

ポイント１：顧客のニーズに合っているか

自社の顧客は、デジタルクーポンに対してどのような印象を持っているのか、導入後も継続的に利用してもらえるのか、を事前に調査しましょう。顧客分析を予め行うことで、導入前の期待する効果と導入後の実際の効果のミスマッチを最小限に抑えることができます。

ポイント２：アプリクーポンの目的の明確化

2つ目のポイントは、アプリクーポンの目的を明確化することです。アプリクーポンで集客がしたいのか、売上アップを目指すのか等、目的をしっかりと明確化することで、アプリクーポンを活用した戦略設計や効果予測も立てやすくなり、計画的な運用イメージにも繋げることができます。

ポイント３：ターゲットとのマッチ

アプリクーポンには、無料クーポンや割引クーポン、誕生日クーポンなど、様々な種類があります。また、開発するアプリによってクーポン機能も様々です。ターゲットに合わせた種類のクーポン内容にすることで、クーポンの効果を最大化することができます。

ポイント４：クーポン利用の効果分析

アプリクーポンを配信しておわりにしてしまうのではなく、どのクーポンが一番利用されたのか等の効果を分析することもポイントです。分析結果は、今後のクーポン施策の改善に繋げられます。利用率が低かったクーポンは内容や配信のタイミングを見直す等、PDCAサイクルを回して、自社にとって一番効果の高いクーポンを活用するが重要です。

アプリクーポンの活用事例

2回目の来店促進クーポン

ある飲食店では、初回来店以降、来店がない顧客に対して『アプリ会員かつ来店回数が2回目の顧客限定』で、割引クーポンを配信しました。その結果、アプリで受け取ったクーポンを利用しに、2回目の来店率アップに成功しました。また、クーポン利用時にアンケートを実施することで、クーポン内容の改善や店舗自体の改善にも繋げることができました。お客様の声をもとにあらゆる方面で改善を行い、顧客満足度の向上にも繋がっています。

その場で利用できるダウンロードクーポン

とあるリサイクルショップでは、店舗アプリを導入したタイミングで、アプリ会員を増やすための施策として『アプリをダウンロードして使えるクーポン』を用意しました。店内に、アプリダウンロード用のQRコードを印刷したPOPを貼り、アプリのダウンロード数アップに繋げることができました。ダウンロード時に、顧客情報を取得できたことで、クーポン以外の施策にもデータを活用することができるようになっています。

～　クーポンの活用術について、つきじ海賓様にインタビューさせていただきました　～

まとめ

アプリクーポンは、新規ユーザー獲得や既存ユーザーの活性化など、様々な効果が期待できる魅力的なマーケティング手法です。しかし、導入前に見極めるべきポイントも存在します。アプリクーポンを導入する目的やターゲットユーザー、マーケティング戦略全体との整合性を考慮し、アプリクーポンを効果的に活用しましょう。

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