集客は、店舗や企業の経営においてとても重要な要素です。しかし、どんな集客方法が効果的なのか悩まれる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、課題から考える集客方法と、実際の成功事例についてご紹介します。
これから販促ご担当者、マーケティングに関与されている方や、集客に課題を感じられている方は是非参考にしてみてください。
そもそも集客とは?
集客とは単にお客様を集めることだけではありません。お客様を集めた後もリピーターとして継続していただき、自社のブランド価値を高め続ける必要があります。
そのためには「どのような集客方法で実施するのか」が重要となります。
集客における課題
集客の課題は、大きく「新規顧客の獲得」と「リピーター(固定顧客)の獲得」に分けられます。
昨今、消費者行動は目まぐるしく変化しています。また、オンライン競争の激化やチャネルの増加も相まって、店舗や企業の「集客」も多様化しています。新規顧客とリピーター、それぞれを増加させるための施策は異なります。
集客の目的やゴールを改めて明確にし、適切な集客方法を見つけ出すことがポイントです。
集客の効果を高めるためのポイント
集客の効果を高め、成功に導くために抑えておきたい4つのポイントについて解説します。
●顧客の種類について知る
●顧客ニーズを把握する
●競合他社の調査・分析
●複数の方法を検討する
●顧客の種類について知る
顧客の種類は「潜在顧客」「見込み顧客」「新規顧客」「既存顧客」「優良顧客(リピーター)」の5つに分けられます。効果を最大化させるためには、それぞれの特徴を理解し、顧客の種類に合った方法で集客をすることが大切です。
潜在顧客
潜在顧客は、自社の商品やサービスを把握していない顧客のことです。商品やサービスを把握してもらえれば購入の可能性があることが特徴です。そのため、自社について知ってもらい、商品やサービスを認知してもらうことからはじめます。
見込み顧客
見込み顧客は、自社の商品やサービスを把握しているが購入経験はない顧客のことです。すでに認知してくれており、自社製品に興味を持ってくれていることが特徴です。そのため、購入に至っていない理由を分析・解消し、購入してもらう必要があります。
新規顧客
新規顧客は、はじめて自社の商品やサービスを購入した顧客のことです。自社製品を気に入ってもらい、リピーターになってもらう必要があります。
既存顧客
既存顧客は、自社の商品やサービスを何度か購入したことがある顧客のことです。購入の頻度は不定期であるため、定期購入の魅力やメリットを理解してもらう必要があります。
優良顧客(リピーター)
優良顧客(リピーター)は、自社の商品やサービスを何度も購入している顧客のことです。この顧客は、安定した売上を確保するために欠かせません。そのため、信頼を維持して商品やサービスを購入し続けてもらう必要があります。
●顧客ニーズを把握する
前述で解説したそれぞれの顧客ニーズを把握することも大切です。自社の商品やサービスに何を求めているのかを調査します。このニーズを精度高く把握することができると、ターゲットに刺さる訴求ができるようになります。
顧客ニーズを把握する際は、顧客目線で考えることがポイントです。
●競合他社の調査・分析
競合他社の商品やサービスの調査・分析も行うとよいでしょう。競合他社と比較して、差別化を図れるポイントはどこかを洗い出し、自社の商品やサービスの優位性をアピールしましょう。
●複数の方法を検討する
複数の集客方法を検討することも大切です。ひとつだけではなく、複数の方法を合わせた方が相乗効果が見込める場合もあります。そのため、集客方法はできるだけ多く想定しておくことをおすすめします。
集客をする前に確認しておくこと
集客の効果を高めるためのポイントと合わせて、集客をする前に確認しておきたいポイントについても理解しておきましょう。
●決めつけない
●価格設定は慎重に行う
●長期的な視点で考える
●決めつけない
・SNSが流行っているからとにかく使わなければならない
・FAXやDMは古くて効果がない
・オンライン集客が主流だからオフラインの集客は効果が薄い
・一度離れた顧客は戻ってこない
これらは一部の例ですが、このような「決めつけ」は避けるようにしましょう。こうだからと決めつけてしまうと、新たなアイデアが生まれにくくなり、効果のある集客方法を見逃してしまう可能性があるため、柔軟に考えるようにしましょう。
●価格設定は慎重に行う
お客様を集めることだけに注力しすぎて価格を無理に下げてしまい、結果として十分な利益を得ることができずに倒産するケースも少なくありません。
大切なのは、価格の安さに頼るのではなく、自社の商品やサービスが持つ本当の価値に応じた価格設定を行いながら、お客様が集まる仕組みを作り出すことです。
●長期的な視点で考える
集客をする際、短期的な成果を求めがちですが、直ぐに来店や購入をしてくれるお客様はそう多くありません。また、継続的な集客には信頼関係の構築が重要です。
口コミや評判の良さによる集客の効果もあるため、短期的な集客だけにこだわるのではなく、PDCAサイクルを回しながら長期的な視点で考えるようにしましょう。
【成功事例付】集客方法18選をご紹介
ここからは、実際の集客方法をオフラインとオンラインに分けてご紹介します。
また、各集客方法の成功事例も紹介するので、参考にしてみてください。
オフラインとオンラインの集客方法の特徴
まずオフラインとオンライン、それぞれの集客方法の特徴について解説します。
オフラインの集客方法8選
オフライン集客は、直接的でパーソナルなアプローチができることが特徴の集客方法です。
折込チラシ
チラシを制作し新聞に折り込んで配布します。古典的な方法ではありますが、地域密着型の衣料品店や家電量販店など、日常的に使用されるものを扱う店舗・企業に向いています。
【成功事例】
仏壇・墓石を取り扱うある企業は、展示会・イベントの開催告知のためチラシを配布しました。
来場の敷居を下げるため、ビジュアル面で賑やかさと安心感を演出し、チラシのデザインに工夫を凝らしました。結果、200組以上の来場者を呼び込むことに成功しました。
ポスティング
リフォームやハウスクリーニングなど、エリアを限定した集客にはポスティングが効果的です。
家族層がターゲットの場合には集合住宅街を攻めるなど、ターゲット層に合わせてエリアを選択すると集客率も高まります。
【成功事例】
開業して20年以上経つ学習塾が、新規顧客獲得のために、新規居住者が多いエリアや通塾圏内エリアに的を絞り、塾の伝統と実績をアピールできるようなチラシをポスティングで配布しました。結果、春の時点で問い合わせや体験申し込みの数が前年比220%まで増加しました。
DM(ダイレクトメール)
ハガキなどを郵送で配布する方法で、ターゲットに確実に届けることができるのが特徴です。
確実に届くものの、開封してくれない人も中にはいるため、開封率を上げるための工夫は必須です。手書きのダイレクトメールなどは心に響きやすいといわれています。
【成功事例】
関東地方を中心に店舗を展開しているスーパーマーケットは、休眠顧客の再活性化を目指してDMを活用しました。DMの内容は、「ポイントの失効」を切り口にしたもので、電話と合わせてポイント失効前のカムバックを促しました。結果、DMを送付していない顧客の再来店率を約19%も上回る再来店率で、休眠顧客の再活性化に成功しました。
看板
街中で目につきやすい看板は、実店舗への集客にとても効果的です。
手書きのウェルカムボードだけでなく、電光看板、デジタルサイネージなどの種類があるので自社に適した看板を選択するとよいでしょう。
【成功事例】
和歌山県内で、立地の奥まった場所に店舗を構える家具雑貨店は、店舗の認知度を高めるために、人通りの多い交差点近くに野立て看板を設置しました。結果、看板を出した翌週には平日の来店者数が1.2倍に増加しました。
イベント・展示会
イベント会場や展示会にブースを出展して、自社の商品を実際に見てもらう方法です。来場者と必ず名刺交換ができたり、その場で商談成立の可能性もあるのが特徴です。
出展費用は掛かってしまうものの、規模も大きく顧客と直接話すことができるので、見込み顧客の獲得確率が高いです。
【成功事例】
ある車販売企業は、見込み顧客を集めるため近隣の絵画教室と協力して、未就学児から小学校低学年までの子どもを対象とした絵画展を開催しました。絵画展には、家族を招待することができる制度を取り入れ、子どもたちと一緒に来店した親や祖父母の集客に成功し、試乗車の予約数の増加に繋げました。
無料セミナー
無料セミナーを開催し、そのセミナー内で商品やサービスを紹介します。このようなセミナーへの参加者は、ある程度商品やサービスに興味関心がある顕在層や明確層が多いため、購入につながりやすいことが特徴です。
また、参加時にメールアドレス入力やオンライン名刺の交換を促すことで、後日フォローによる顧客のナーチャリングを行うことも可能です。
紹介
既存顧客からの紹介による集客は、相手からの信用度が高く効果の出やすい方法です。紹介キャンペーンも一緒に実施することで、紹介数の増加が期待できます。友人や、すでに購入・利用している人からの紹介は受注率が高い傾向にあります。
街頭配布
駅前や店頭で、ティッシュやサンプルを配布する方法です。たとえば、LINE公式アカウントの友だち追加用QRコードを掲載してサンプルと一緒に配布することで、友だち数の増加が期待できます。配布物のコストはかかりますが、幅広い層にアプローチができる点が特徴です。居酒屋などの飲食店でよく用いられる手法です。
オンラインの集客方法10選
オンライン集客は、デジタル技術を用いて広範囲かつ効率的なアプローチができます。また、収集したデータに基づいた戦略の構築や、パーソナライズされた体験の提供により顧客との関係を深めることができることも特徴です。
X(旧Twitter)
公式X(旧Twitter)を活用した方法です。2024年現在、X(旧Twitter)の利用者数は約16億人となり、その中で日本の利用者数は約6,750万人と、利用者数も多いため、リポストなどによる拡散が期待できる手法です。
【成功事例】
「シャトレーゼ」のX(旧Twitter)アカウントでは、主に商品画像の投稿やユーザーの投稿をリポストすることに力を入れています。
特に注目すべきは、独自のハッシュタグキャンペーンを通じてユーザーの投稿を促していることです。
このキャンペーンによって、商品やブランドの認知度を向上させています。
また、ユーザーからのコメントには積極的に返信し、企業との関係性を身近に感じられるように構築しています。
Instagramの成功事例
美容サロンや飲食店など、商品やサービスを写真で訴求する手法としておすすめなのがInstagramです。#(ハッシュタグ)検索を活用すれば、認知がなかった潜在顧客に自社ブランドを知ってもらうことができます。
【成功事例】
「Afternoon Tea」のInstagramアカウントでは、商品の紹介やキャンペーン告知を中心に投稿しています。さらに、他の人気ブランドとのコラボレーション企画を組むことで注目を集めています。
特に注目すべきは、既に多くのファンを持つ企業やブランドとのコラボレーションです。
これにより、話題性を高めることができ、これまでに認知されていなかった層にもアプローチすることができました。
Facebookページ
ビジネス目的で利用されることも多いFacebookは、実名制なので炎上リスクが少ない点が特徴です。タイムライン投稿や、Facebook広告の活用も効果的です。
【成功事例】
「UNIQLO」のFacebookページでは、基本的に1日に1〜2回の投稿を行っています。
これらの投稿のほとんどは、新商品やキャンペーンの簡潔な情報と共に写真を掲載しています。
さらに、UNIQLOの特徴として、幅広い分野のタレントやアーティストをモデルに起用していることが挙げられます。既に多くのファンを持つモデルが起用されると、投稿への注目度も高まります。
また、彼らが着用した商品にもファンの関心が集まっております。
YouTube
動画サイトとして最大規模を誇るため、集客力の強い方法だといえます。動画投稿は無料なので、初期費用をかけることなく実施できる点が特徴です。チャンネル登録者数の多いチャンネルとコラボ企画を実施すればより多くの人の目に留まるため、認知拡大にも効果的な方法です。
【成功事例】
群馬県にある焼肉店「ホルモンしま田」のオーナーがYouTubeで発信するグルメ動画が話題となりました。
この動画は、自身の経験を基にしたホルモンのさばき方や調理法など、やや専門的な内容を紹介しており、広告は一切ありません。
この動画配信のおかげでホルモンしま田の通信販売は、販売開始後すぐに完売するほどの人気を誇るようになりました。
HP・オウンドメディア
最近は、ホームページやオウンドメディアの運用が当たり前になりつつあります。自社商品やサービスについて分かり易く、且つ競合に打ち勝つサイトにしていくことが重要です。
ただ、ホームページやオウンドメディアを立ち上げるだけではなく、アクセス数を増やすためにもSEOを意識し、検索エンジンで上位表示されるような工夫が重要です。
【成功事例】
千葉県のとあるパーソナルトレーニングジムは、SEO対策を考慮してウェブサイトをリニューアルしたところ、Google検索で1位を獲得しました。結果、以前は伸び悩んでいた問い合わせ件数が増加し、週に平均4〜5件の問い合わせが寄せられるようになりました。
メルマガ
メルマガは、登録者にとって有益な情報の配信や、登録者限定のクーポンの配信など、顧客育成に向いている方法です。
開封率を意識したタイトル付けや、配信解除を避けるために様々なコンテンツを配信するなどの工夫が大切です。
【成功事例】
宅配寿司チェーン「つきじ海賓」は、注文時に利用可能なクーポンを、毎回つけてメルマガの配信を行っています。結果、これまでメルマガに登録されていなかった顧客にも登録を促し、クーポン利用率の向上と、それに伴う売上の増加を実現しました。
>> つきじ海賓 のメルマガ導入事例記事はこちらからご覧いただけます。
LINE公式アカウント
LINEは2024年時点で約9,600万人と、SNSのなかでは圧倒的な利用率です。企業やブランドのLINE公式アカウントでは、LINEを通じて直接的にユーザーコミュニケーションをとることができる点が特徴です。
【成功事例】
ある不動産会社では、賃貸を探している顧客とLINE公式アカウント上でコミュニケーションをとるようにしました。賃貸情報の掲載サイトからLINE公式アカウントで問い合わせをしてもらい、検討度の高い顧客とより密にやり取りができる仕組みをつくったことで、CV数を4倍にまで伸ばすことに成功しました。
電子チラシ(デジタルチラシ)
デジタルタイプのチラシで、PDF形式や画像形式としてインターネットを通じて配布します。従来の紙のチラシに比べ、配布方法や配布範囲を広げることができるため、より幅広い層へのチラシ配布が可能です。
【成功事例】
関西圏に複数の店舗を構えるスーパーマーケットは、電子チラシを導入することで来店者数を30%増加させました。
タイムライン機能を活用してリアルタイムに店舗情報を投稿するなど、オンラインならではの機能を活かして集客を行うことに成功しています。
リスティング広告
Web検索画面の上部に表示される広告のことで「検索連動型広告」ともいいます。
広告の内容が検索意図と合致していると判断された場合に表示される仕組みで、クリック率が高いのが特徴です。キーワードを入力して検索をかけていることから、購買意欲も高い場合が多く、商品やサービスの購入につながりやすいのが特徴です。
【成功事例】
千葉県のとある宝飾店は、新規顧客の減少を受けてリスティング広告を導入しました。
その結果、予約件数が大幅に回復し、来店者数が前年比5割増加することに成功しました。
自社アプリ
Webブラウザを開かなくても、端末のホーム画面からワンタップで開くことができる自社アプリは、利便性が高いことが特徴です。ユーザーが特典や情報を受け取りやすくなるため、優良顧客の育成に向いている方法です。
【成功事例】日焼けサロン「タンニングサロン Eos」は、リピーター集客のため自社アプリを導入し、その日その場に合わせた内容でプッシュ配信を行いました。利用する度にスタンプが貯められたり、雨の日はクーポンを配信することで安定した顧客数獲得に成功しました。
>> タンニングサロンEos のアプリ導入事例記事はこちらからご覧いただけます。
インフルエンサーマーケティング
SNSのフォロワーが多い、いわゆるインフルエンサーに商品やサービスの紹介を依頼する方法です。
ターゲットはインフルエンサーのフォロワーが中心となるので、商品やサービスとマッチしたインフルエンサーを選ぶことが大切です。インフルエンサーが実際に商品やサービスを体験してレビューするため、一次情報を提供できるのが特徴です。
まとめ
本記事では、集客をするときのポイントや事前に確認しておきたいポイント、実際の集客方法について解説しました。
集客は無計画に実施するのではなく、明確な目的とターゲットを設定することで最大の効果を発揮します。しっかりと目的を定めて、それに適した集客方法を活用して売上向上を目指しましょう。
また、集客をするうえで、顧客情報の管理はとても重要です。
顧客情報を正確に収集・分析できれば、適切な集客方法の選定につながり、顧客満足度を向上させることができます。
株式会社バリューワンが提供する「matomaru(マトマル)」は、アプリ・メール・LINEのツール毎にバラバラな顧客データを一元管理できるDMPツールです。
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