スマートフォンの普及に伴い、アプリ市場は拡大を続け、競争も日に日に激しさを増しています。そういったなか、アプリ運用の際に重要となるのが「アプリストア最適化(ASO)対策」です。ASO対策とは、アプリストアでの可視性を高め、アプリ集客を促進するための戦略的アプローチ。そのため、アプリ運用をするうえでは欠かせない対策といえます。
本記事では、アプリ運用の効果を最大化するためのASO対策の基本概念と、その重要性について解説しています。ASO対策(アプリストア最適化)は、単にユーザー獲得のために行うのではなく、長期的なアプリ運用をするために行う対策です。これからアプリを運用される方はもちろん既にアプリ運用中の方も、ASO対策の実施と見直しにお役立てください。
目次
ASO対策(アプリストア最適化)とは?
アプリストア最適化(ASO)とは、App Store Optimizationの略で、アプリストアにおける検索の最適化を指します。ASO対策には、キーワードの選定、アプリの説明文、アプリアイコン、スクリーンショットの最適化などが含まれ、自社アプリの認知度を向上させダウンロード数を増やすための施策です。
ASO対策の目的
ASO対策の目的は、「上位表示による自然流入数増加」と「アプリダウンロード数の最大化」の2つが挙げられます。ASO対策はSEOとCROの2軸で行います。SEOでは「アプリストア内の検索ランキングで自社アプリを上位表示させることで自然流入を増加させること」を目指し、CROでは、「自社アプリの詳細ページを最適化することでダウンロード数を増加させること」を目指します。
アプリ集客におけるASO対策の重要性について
アプリ集客を成功させるためには、アプリをダウンロードしてもらうことから始まります。ASO対策がどんな影響をもたらすのか、ASO対策の重要性について解説します。
アプリストア内検索で上位表示される
ユーザーの多くは、アプリストアで検索をかけ自分のニーズに合ったアプリをダウンロードしています。Appleが公開しているデータによると、約65%がアプリストア検索を利用してアプリをダウンロードしていることが分かっています。 そのため、ASO対策により、アプリストア内で自社アプリを上位表示させることができれば、それだけダウンロード数が増加する可能性が高まります。アプリ名検索だけではなく、関連キーワードで検索をかけるユーザーも一定数いるため、自然流入数を増加させるためのASO対策は重要であるといえます。
広告費用の最適化に貢献
アプリ集客だけでなく、広告活動には多大な予算がかかります。ASO対策は、こういった広告費用の最適化にも寄与します。オーガニック検索数を増やすこと=広告効率の最適化につながるため、長期的に見れば広告予算を削減できる可能性があります。また、あらゆる広告活動でアプリダウンロード施策を実施しても、最終的にはアプリストアにたどり着くため、ASO対策をしておくことでよりダウンロード数の増加が見込めるので、広告効率の最適化させるためにも必要不可欠なのです。
アプリストアの検索結果に影響する要素
では、アプリストアの検索結果には、どのような要素が影響するのでしょうか?検索アルゴリズムに影響を与える要素は、以下の4つが挙げられます。
●キーワード
●ダウンロード数
●レビュー数
●利用率
ユーザーの行動とあわせてそれぞれみていきましょう。
キーワード
まず対策するべきなのが、「キーワード」です。ユーザーがアプリストアでアプリを探す際には、具体的なアプリ名や機能をキーワードとして入力します。そのため、アプリのタイトルや説明文に、狙いたいキーワードを適切に盛り込むことで検索結果の可視性が高まり、ランキングの上位表示に繋がる可能性があります。ASO対策におけるキーワード選定は、ユーザーの検索行動を分析し、適したキーワードを導き出すことが重要です。さらに、キーワードはなるべく冒頭にもってくることで、よりユーザーの目に留まりやすくなるため、キーワードの使用場所にも配慮することがポイントです。
ダウンロード数
次に「ダウンロード数」も重要となります。アプリのダウンロード数はユーザー満足度のバロメーターともいえます。ダウンロード数が多いアプリは満足度が高いことを示すため、アプリストアの検索結果でのランキング向上に寄与します。しかし、ただダウンロード数が多ければいいわけではなく、検索数に対するダウンロード数の割合(コンバージョン率)が高いことも重要です。ASO対策は、ダウンロード数の増加を目的とした施策ですが、ダウンロード数を増やせたあとはアプリストア内で上位表示が継続されるため、より多くのユーザーにアプリを利用してもらえるようになります。
レビュー数
「レビュー数」も重要な役割を担います。肯定的なレビューは、アプリの質と人気を反映し、アプリストアの検索結果のランキングを高める可能性があります。実際にユーザーが経験したアプリのパフォーマンスや使い勝手を示すレビューは、他のユーザーに対する信頼性を高めてくるため、良いレビューを増やすための対策も注力すべきだといえます。
利用率
アプリの「利用率」は、ダウンロード数を超えたユーザーエンゲージメントの重要性を示します。これは、ユーザーがアプリをどれだけ継続して使用しているかを反映するため、アプリストアの検索結果にポジティブな影響を与える要素です。ASO対策では、自然流入数やダウンロード数の増加を目的としていますが、本質的なアプリ集客の成功のためには、継続してアプリを利用し続けてもらう必要があります。流入数やダウンロード数の増加に満足せず、その後の対策も重要だといえます。
ASO対策の具体的な取り組み・ポイント
ここからは、アプリ運用効率を最大化するための具体的な取り組みとポイントを7つ詳しくご紹介します。
分かりやすいアプリ名とタイトル
1つ目は、「分かりやすいアプリ名とタイトルの選定」です。ユーザーに対して適したキーワードを含めたアプリ名・タイトルにしましょう。アプリの機能や利点が理解できるような明確なものにすることも重要です。ユーザーに直感的に理解されやすいアプリ名・タイトルにすることで、検索結果にも上位表示されるようになる可能性が高まります。
簡潔かつ魅力的な紹介文
2つ目は、「簡潔かつ魅力的な紹介文」を用いることです。アプリ紹介文は、アプリをダウンロードする際にほとんどのユーザーが読むといっても過言ではありません。簡潔で分かりやすく且つ魅力的な紹介文はアプリのダウンロードを促し、コンバージョン率を高めます。分かりやすいアプリ名と連携し、興味を引きやすい内容の紹介文にしましょう。
適切なキーワードの選定と使い方
3つ目は、「適切なキーワードの選定と使い方」です。ASO対策においても注力するべきポイントです。ユーザーニーズを深く分析し、検索しそうなキーワードを見極めます。主要キーワードはアプリ名やタイトルに盛り込み、関連キーワードはサブタイトルや紹介文に織り交ぜることで、適切なキーワードを網羅的に使用することが可能になります。とくにアプリの紹介文の冒頭には、ユーザーに「もっと読みたい」「ダウンロードしてみよう」と思わせるためのキーワードを選定することがポイントです。
アプリの内容が分かるアイコン
4つ目は、「アプリの内容が分かるアイコンにすること」です。アプリのアイコンは、アプリの顔となりブランド認識に不可欠です。なんのアプリであるかが伝わるアイコンである必要があります。ユーザーがアプリストアを巡る際、鮮明で説明的なアイコンは、アプリの目的を視覚的に理解させ、他のアプリとの差別化を図ることができます。アプリアイコンを適切なデザインにし、ダウンロード率を高めると共に、ユーザーに強い第一印象を与えることがポイントです。
魅力的なスクリーンショット
5つ目は、アプリストアにおけるユーザー体験を高めるための「魅力的なスクリーンショット」です。これはアプリの利点や機能を瞬時に伝えるビジュアル要素として重要な要素です。アプリ名やタイトルとは異なった角度で、ユーザーのダウンロード意欲を刺激することができます。自社アプリの主要機能や推しポイント、アプリのUIをスクリーンショットで掲載しましょう。また、必要に応じて動画を活用することも有効です。アプリの紹介文よりも先に表示されるスクリーンショットは、ユーザーに自社アプリの魅力を伝えられる大事な要素となり、ASO対策において強力な武器となりえます。
ディープリンクの設置
6つ目は、「ディープリンクの設置」です。ディープリンクとは、WebサイトやSNSなど外部サイトからアプリ内の特定ページへユーザーを直接移動させるリンクのことです。ディープリンクを活用したコンテンツ遷移ではスムーズな誘導が可能になるため、ユーザーエクスペリエンスの向上につながります。ユーザーの行動を自然に促し、アプリダウンロード数の増加や継続利用につなげることが大切です。
レビュー投稿対策
7つ目は、「レビュー投稿対策」です。レビュー数は、先でも解説したように、アプリストアの検結果に影響する要素のひとつであり、レビュー投稿の内容はユーザーの満足度を反映します。アプリストア検索で上位表示させるためだけでなく、ユーザーに対して自社アプリが提供できる価値を対外的に評価してもらうための指標ともなります。ユーザーにポジティブなレビューの投稿を誘導するためには、ユーザーに満足してもらうアプリであることが前提となり、アプリ利用中にレビュー投稿へ誘導する対策や、レビュー投稿キャンペーンなどで対策ができます。
ASO対策の効果を最大化するためには効果検証が重要
アプリ運用においてASO対策は不可欠ですが、その効果を最大化させるためには効果検証が重要となります。ASO対策は実施しておわりではなく、その後の、ダウンロード数やストア内ランキングの変動、ユーザーレビュー数などのKPIを分析しましょう。どの施策がアプリ集客にどう貢献したのかを明確にし、ASO対策を継続的に改善しながら実施することで、競合多数のアプリ市場で勝ち抜いていくことが可能になるでしょう。
iOSとAndroidの違いを理解して対策しよう
ASO対策をする際にひとつ注意が必要なのが、App StoreとGoogle Play、それぞれに合わせた最適化を行う必要があるということです。各アプリストアの違いを理解したうえで対策をすることが重要となります。iOSのApp Storeは、ユーザーのエンゲージメントやレビューに重点を置く傾向があり、品質とユーザー体験を重視したアプリのランキングが高くなることが特徴です。一方、AndroidのGoogle Playでは、アプリの更新頻度やインストール数がASOに大きく影響するなど、評価されるポイントも異なります。
アプリストア上の主な違い
App StoreとGoogle Playの主な違いは、以下の通りです。
● アプリのタイトルの文字数
● キーワードの登録可否
● 詳細ページのファーストビューの閲覧範囲
● 検索結果のファーストビューの閲覧範囲
● アイコン・スクリーンショットのサイズや数
● レビューの表示
したがって、App StoreとGoogle Playとでは、より対策するべき内容も異なってくるのです。このようなアプリストア上の違いや特性を理解し、iOSとAndroidのユーザーベースと検索アルゴリズムに合わせたASO対策を実施することが、ASO対策の効果を最大化させることができるのです。
ASO対策ツールの活用
ASO対策は、ツールを活用して行うこともできます。ASO対策ツールはキーワードや競合分析、レビュー管理など、多岐にわたる機能があるため、ASO対策の効率化を実現します。また、蓄積したデータをもとに効果測定が行えるため、ASO対策の効果検証もより効率的に行うことができます。
まとめ:ASO対策でアプリ集客の成功を加速させる
ASO対策で行うべき施策や、対策するべきポイントについて解説してきましたが、いかがでしたしょうか。
流入数やダウンロード数を増加させるためのASO対策は、アプリ運用をするうえでは必須ともいえます。適切なキーワード選定から、効果検証の繰り返しが不可欠です。アプリ集客を成功させるためにもなるべく早く対策を講じることをおすすめします。
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