スマートフォンの普及と共に、アプリを利用したマーケティング戦略が急速に拡大しています。
企業やブランドは、消費者の利便性を高め、売上を向上させるために独自オリジナルのアプリ開発に力を入れています。
例えば、オンラインでの在庫検索やお得情報の配信など、アプリを活用することで消費者の生活を豊かにし、同時に企業の売上向上にも繋がっています。
しかし、アプリの数が爆発的に増加している中、「せっかく開発したアプリがなかなかダウンロードされない」と頭を抱える担当者も少なくありません。
そこで重要になってくるのがアプリのプロモーションです。
アプリを開発しただけでは十分ではなく、効果的な宣伝戦略が必要不可欠です。
本記事では、アプリを効果的に宣伝する方法を具体的に解説します。
目次
アプリを活用したプロモーションはなぜ重要?
スマートフォンの普及に伴い、アプリの市場は非常に競争が激しくなっています。
2023年のモバイル市場の概況によると、新規アプリダウンロード数は約2,570億。日本におけるモバイル利用時間も1日5時間以上と、2020年以降最高の増加となり、今後も消費者のモバイル需要は伸びることが予測されています。
このような状況の中で、数多くのアプリの中から自社アプリを選んでもらうためのプロモーションは必要不可欠といえるでしょう。
集客数や売上を向上させるために、積極的かつ効果的なプロモーションを行い、アプリのダウンロード数を伸ばすことが重要です。
また、アプリプロモーションは、単にユーザーにアプリを知ってもらうだけではなく、ブランドイメージの確立にも寄与します。
ブランドイメージをしっかりと構築するということは、長期的なユーザーを獲得するためにも非常に重要です。
代表的なアプリのプロモ―ションの方法8選
多くのユーザーにアプリを認知してもらうためには、効果的なプロモーションが欠かせません。
そこで、代表的なプロモーションを8つ紹介します。
●公式Webサイト
●SNS配信
●オーガニック検索
●広報活動
●ASOインフルエンサー活用
●オンライン宣伝
●口コミ・バズ・紹介キャンペーン
それぞれ解説します。
公式Webサイト
アプリのプロモーションにおいて、Webサイトを活用する方法があります。
ユーザーがアプリを選ぶ際、Webサイトがあるという信頼性は大きな判断基準の一つです。
適切な開発元から提供されているか、正当なアプリであるかといった点がチェックされる場合が多いです。
アプリについての紹介文を目立つ場所に配置したり、専用ページを設けてリンクを掲載することで、ユーザーに信頼できる開発元であることをアピールできます。
ただし、Webサイトの存在だけでは不十分です。
Webサイト自体が少ないPV数だった場合、プロモーションの効果は存分に期待できません。
プロモーション効果を向上させるためには、WebサイトのSEO対策を強化し、PV数を増加させる工夫が必要です。
適切なSEO戦略によってWebサイトの視認性を高め、結果的にアプリのプロモーション効果も向上させることが可能です。
SNS配信
アプリのプロモーションにおいて、SNSは宣伝効果が大きく見込めるツールです。
InstagramやX(旧Twitter)・Facebookのようなプラットフォームは多くの人に利用されており、その影響力を利用することでプロモーション効果を高めることができます。
SNSを用いたアプリプロモーションには、主に「広告アカウントの運用」と「有料広告」の2つの方法があります。
広告アカウントの運用では、アプリ専用のアカウントを作成し、SNS上で活動していくことにより、オーガニック検索を通じた流入も期待できます。
一方で、有料広告を利用すると、比較的少ない投資で多くの方に認知してもらうことが可能となり、新規ユーザー獲得に有効です。
さらに、SNSは双方向のコミュニケーションが特徴的であり、プロモーションにおける一方通行の発信だけでなく、ユーザーからの直接的なフィードバックや意見を収集できるのも大きなメリットです。アプリの認知だけでなく、改善に繋がる貴重な情報源となり得ます。
効果的なSNSプロモーションを実施することで、アプリの知名度を高めユーザー基盤の拡大が期待できます。
オーガニック検索
SNSアカウントを活用してアプリを紹介するシンプルなページを設けることで、オーガニック検索経由で訪れた人々に対してアプリの情報を伝えられます。
アカウントを作成したら、ターゲットオーディエンスや業界関係者をフォローし、積極的にコミュニケーションを取りましょう。
ただし、プロモーションに力を入れすぎて大量のメッセージを発信すると、ユーザーにとって有益な情報が行き届かないため、注意が必要です。
オーディエンスが興味を持つ話題を選び、参加型のアプローチを心掛けるようにしましょう。
たとえば、フードデリバリー企業のGrubHubは、Instagramで魅力的な食事の写真を頻繁に投稿し、グルメなオーディエンスの関心を引くことに成功しています。
広報活動
広報活動によるプロモーションも、アプリ認知を見込める代表的なプロモーション手段の一つです。
これにはプレスリリースの配信、メディアへのデモンストレーション提供、インタビュー記事の掲載などが含まれ、業界関連メディアやブログを通じてアプリを広く紹介することができ、特にテレビや新聞などに取り上げられると、インターネットを利用しないユーザーへのリーチにも期待できます。
広報活動の大きな利点は、第三者の意見としての報道により、自社での直接的な広告よりも高い信頼性を提供できる点です。
メディアやブログに掲載された情報は、多くの人々に対して信頼できるソースとしての価値を持ち、アプリの知名度向上に大きく貢献します。
広報活動によるプロモーションは、アプリの認知度を広げさらなるユーザー獲得につながる可能性を持っています。
ASO
アプリのプロモーションで欠かせないのがASO「App Store Optimization(アプリストア最適化)」です。
ASOとは、アプリストア内の検索ランキングを向上させるための手法で、アプリストアにおけるSEO対策とも言われています。
ASOの具体的な施策としては、キーワード選定、アプリ名の最適化、アイコンやスクリーンショットの調整、説明文の工夫などが挙げられます。
しかし、これらの要素に単純に多くのキーワードを盛り込んだり、画像を増やすだけではユーザーに認知される十分な要素とは言えません。
重要なのは、ユーザーにとって分かりやすく魅力的な内容を提供することです。
また、口コミの評価も大きな影響を及ぼすため、既存ユーザーの満足度を高めることが肝心です。
ASOを効果的に行うことで、アプリがアプリストア内でより見つけやすくなり、結果としてダウンロード数の増加が期待されます。
ASOは、アプリの可視性を高め、ユーザー基盤を拡大する上で重要な役割を果たします。
インフルエンサー活用
アプリプロモーションにおいて、インフルエンサーの活用も欠かせない戦略の一つです。
インフルエンサーを活用したプロモーションは、影響力のある著名人やコンテンツクリエイターを活用してアプリを紹介し、その信頼性や認知度を向上させることを目的としています。
インフルエンサーが持つ多くのフォロワーや視聴者へのリーチは、アプリの魅力をより多くの人々に伝える強力な手段です。
現代の消費者行動は「共感性」を重視する傾向にあり、インフルエンサーによる宣伝は、マーケティングにおいて非常に効果的です。
そのため、多くの企業やブランドがインフルエンサーを用いたプロモーションを取り入れています。
成功するためには、ターゲットオーディエンスとの相性が良いインフルエンサーを選ぶことが重要です。
適切なインフルエンサーを選定することで、アプリに対する信頼と興味を高め、より多くのダウンロードにつなげることが期待されます。
オフライン宣伝
アプリプロモーションにおいて、オフライン戦略も重要な役割を担います。
具体的な手法には、チラシやポスターの配布、店舗での直接的な声掛け、ノベルティの配布などがあります。
オンラインでのプロモーションが主流となる現代でも、オフラインでの広告活動は依然として高い効果を発揮します。
特に、地元密着型のアプリやイベント関連アプリには、この手法が特に効果的です。
オフラインの広告活動は、インターネットを頻繁に利用しない層に対してもアプローチを行うことができるメリットがあります。
地域コミュニティや特定のイベントに焦点を当てたプロモーションは、オンラインだけではリーチできないユーザーに対する効果的な手段です。
このような多角的なアプローチにより、アプリの知名度を広げ、さまざまな層のユーザーを惹きつけられます。
口コミ・バズ・紹介キャンペーン
アプリプロモーションにおける口コミ・バズ・キャンペーン紹介は、消費者行動に大きな影響を与える効果的な手段です。
商品やサービスを選ぶ際に口コミを参照する人は多く、特にアプリにおいても「実際の使用感」や「生の声」は重要な判断材料となります。
口コミは第三者からの意見としての信頼性が高く、ポジティブな評価が拡散することでアプリのダウンロード数を増加させる効果が期待できます。
しかし、良い口コミを得るためには、アプリ自体の品質が高いことが必要です。
ユーザーのフィードバックを積極的に取り入れ、丁寧なサポートを提供することで、ユーザーが自然と良い口コミを投稿したくなるようなアプリ環境を作り出すことが重要です。
また、口コミを投稿したユーザーに対してクーポンなどの特典を提供することも、積極的な口コミの促進に効果的です。
このような取り組みにより、アプリの魅力をより広く伝え、新規ユーザーの獲得に繋がります。
プロモーションのおすすめのタイミング
アプリのプロモーションを成功させるためには、手法だけでなく適切なタイミングが重要です。
特に、アプリリリース直後に大規模なプロモーションを行うのは避けるべきです。
新しくリリースされたアプリは決して完成度が高いとは言えないため、早急なプロモーションが逆効果になるリスクがあります。
例えば、完成度が低い段階でプロモーションを行うと、潜在的なバグが原因でユーザーからの悪評が広まる恐れがあり、それによってアプリが選ばれにくくなることがあります。
さらに、一度広まった悪評を完全に払拭するのは困難です。
そうした問題を回避するためには、リリース直後はコストの低い小規模なプロモーションから始め、アプリの完成度が向上してから大規模な戦略を展開することが望ましいです。
完成度が高くなるにつれて、ユーザーの満足度も上がり、良い口コミが自然に広がるようになります。
そのタイミングで効果的なプロモーションを実施することで、アプリの魅力を最大限に伝え、ダウンロード数の増加が期待できます。
アプリのプロモーション事例
アプリのプロモーションの活用事例を3つ紹介します。
●Coke On
●ロイヤルホスト
●カーセンサー
それぞれ解説します。
Coke On
コカコーラ社の「Coke On」アプリは、オフラインプロモーションの代表的な成功事例です。
このアプリは、自動販売機でのドリンク購入時にスタンプを集め、15個のスタンプで無料のドリンクがもらえるキャンペーンを実施しています。
コカコーラの既存の高いブランド知名度を背景に、2016年にはアプリ・オブ・ザ・イヤーを受賞し、その後のダウンロード数も4,000万を超える成功を収めました。
Coke Onの成功の秘訣は、ユーザーに対して実際のメリットを提供している点にあります。
アプリをダウンロードして使用することで、お得なサービスを受けられる仕組みは、ユーザーの購買意欲を刺激し、ダウンロードを促します。
また、「利用しなければ損をする」という心理を巧みに利用しており、これがマーケティングとしての効果を高めています。
このように、オフラインの要素を取り入れたプロモーション戦略は、アプリのダウンロードと使用促進に大きな影響を与えています。
ロイヤルホスト
ロイヤルホストは、その公式アプリのプロモーションにおいて、複数の戦略を巧みに組み合わせました。
具体的には、既存のメルマガ会員へアプリの存在を周知させることから始め、アプリをダウンロードしたユーザーに対する特典の提供と、割引率が高いクーポンの配布を実施しました。
これらの施策の組み合わせにより、ロイヤルホストのアプリは「App Store」と「Google Play ストア」の両方で、フード・ドリンクカテゴリ内の1位を獲得するという驚異的な成果を達成。
この成功の背景には、単一のプロモーション施策に依存することなく、さまざまな手法を組み合わせて利用者にアプローチしたことがあります。
複数の施策を連携させることで、相乗効果を生み出し、ユーザーの関心を引き付けてアプリのダウンロードを促進することに成功したのです。
この事例は、アプリプロモーションにおいて、多角的なアプローチがいかに重要であるかを示しています。
カーセンサー
中古車販売アプリ「カーセンサー」は、2010年のリリース以降、ユーザーから高い評価を受け続けており、その成功の背景にはWebサイトを活用した独自のアプリプロモーションがあります。
カーセンサーは、公式サイトにいる多くのユーザーをターゲットにしたアプリの広告を出稿しました。
この戦略は、既存のWebサイトユーザーを効果的にアプリに誘導するという方法で、アプリのダウンロード数と使用率の増加に貢献しました。
また、口コミの評価の高さもカーセンサーのプロモーションにおいて重要な要素で、Webサイトと口コミの相乗効果により、さらに多くの新規ユーザーを獲得しています。
カーセンサーのアプローチは、ターゲット層を適切に絞り、既存のオンラインリソースを最大限に活用することで長期にわたりユーザーからの支持を維持し続けていることを示しています。
アプリ自体のコンテンツの充実も重要
アプリプロモーションの様々な手法や成功事例を紹介してきましたが、アプリ自体の品質も重要です。
多様なプロモーション方法があるものの、最終的にアプリの成功を左右するのはその品質と機能です。
アプリがリリースされた後も、定期的なアップデートや機能の改善を怠ってはなりません。
明らかな改善ポイントがあるにも関わらず、プロモーションにのみ注力することは、本末転倒と言えます。
さらに、どれだけ魅力的なキャンペーンを実施しても、アプリのクオリティが低いとユーザーに継続して利用してもらえず、良い評価も得られないでしょう。
アプリの長期的な成功を望むなら、プロモーションの努力と同等に、アプリ自体の品質向上に労力を注ぐ必要があります。
最終的には、アプリの品質がユーザーの満足度とロイヤルティを決定づけるため、品質向上に注力することがアプリの成功に不可欠です。
アプリ集客で効果的な機能
アプリで集客を行う際に効果的な機能について2つ紹介します。
●アプリダウンロードクーポン
●ログインボーナス
それぞれ解説します。
アプリダウンロードクーポン
アプリダウンロードクーポンは、新規ユーザーを獲得するための有力な手段です。
この戦略は、アプリをダウンロードしたユーザーに特別な割引や報酬を提供するなどの、ダウンロード特典を作ります。
例えば、小売業界のアプリでは、初回ログイン時に限定クーポンを提供することで、新規ユーザーの購買意欲を高めることができます。
飲食業界のアプリでは、アプリ内での初回注文に対して割引を適用することも効果的です。
このように、アプリダウンロードクーポンを用いることで、ユーザーにアプリの価値を直接的に感じてもらい、長期的な顧客関係の構築につなげることができます。
ログインボーナス
ログインボーナスは、アプリユーザーの定期的なアクティビティを促進するのに効果的な機能です。
この方法では、ユーザーがアプリにログインするたびに、小さな報酬やボーナスが提供されるため、毎日または定期的にアプリを開くことを促進できます。
ログインボーナスの形態は、限定コンテンツへのアクセス、割引クーポンなど多岐に渡ります。
例えば、ゲームアプリでは、連続ログイン日数に応じた段階的な特典を設けることで、毎日アプリを開いてもらえるようになります。この戦略は、ユーザーがアプリを継続して使用することを促し、アクティブユーザー数の増加に貢献します。
まとめ
本記事では、アプリを活用したプロモーションの重要性と方法、活用事例について紹介しました。
プロモーション手法としては、公式WebサイトやSNS配信、オーガニック検索など多岐に渡りますが、自社に合った手法で行うことが重要です。
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