ポイントカードは、顧客とのコミュニケーションを活性化し、継続的な関係を築くための定番施策です。従来のプラスチックや紙のカードに加え、近年注目を集めているのが、スマートフォンアプリで発行・運用する「ポイントカードアプリ」です。
本記事では、ポイントカードアプリの特徴と、導入することで得られる5つの効果について詳しく解説します。さらに、アプリでポイントカードを運用し、効果を挙げている企業の事例もご紹介します。
ポイントカードアプリ導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ポイントカードアプリとは
ポイントカードアプリは、従来のプラスチック製や紙のポイントカードに代わり、スマートフォン上で発行、利用できるポイントカードです。
ポイントカードアプリなら、ポイントカードを持ち歩く必要がないため、破損の心配もなく、スマートフォンがあれば財布を忘れても安心です。アプリを起動して画面を提示するだけで、ポイントを貯められ、商品やサービスと交換できます。
ポイントカードアプリのメリットや効果
急速に普及が進むポイントカードアプリには、多くのメリットや効果があります。以下に詳しく解説します。
1. コストの削減
ポイントカードアプリ導入によって、3つのコスト削減効果が期待できます。
●発行コスト削減:紙のカードの印刷や発送費用
●印刷コスト削減:ポイント付与や利用履歴の印刷費用
●管理コスト削減:ポイント情報の管理や顧客情報の管理が効率化
具体的なコスト削減額は、店舗の規模や発行枚数によって異なりますが、年間数万円から数十万円程度と言われています。
導入方法も、自社開発だけでなく、既存サービスやテンプレートの利用など、低コストで導入する方法もあります。ポイントカードアプリは、コスト削減に貢献できるツールとなるでしょう。
2. 顧客利便性向上で選ばれる店舗へ
ポイントカードアプリ導入は、顧客にとって利便性を大幅に向上させ、店舗にとっても顧客満足度向上や売上増加などのメリットをもたらします。
5つの利便性
●ポイント管理の簡便化: アプリでいつでもポイント残高や履歴を確認ため、無駄なく利用できる
●情報収集の容易化: プッシュ通知で、最新情報や限定クーポン、キャンペーン情報等をアプリからリアルタイムでチェックできる
●お得な特典の享受: ポイント交換や限定特典、アプリ限定クーポンやポイントアップキャンペーンを利用できる
●快適な購買体験: アプリで会員証提示、事前予約や注文など便利な機能を利用できる
●環境への配慮: 紙のポイントカード廃止による環境負荷軽減に貢献できる
顧客利便性向上で期待される効果
●顧客満足度向上
●リピーター獲得
●売上増加
メリットや効果を最大限に活かすためのポイント
●使いやすいアプリ設計: シンプルで分かりやすい操作性、見やすい画面デザイン
●顧客ニーズに合わせた機能提供: ポイント付与だけでなく、顧客にとって利便性の高い機能
●情報セキュリティ対策: 顧客情報の取り扱いに関する透明性とセキュリティ対策で信頼性を構築
3. リピーターの創出ー顧客の心を掴み、再来店を促進
従来の紙やプラスチックのポイントカードも、顧客の再来店促進に効果を発揮してきました。「ポイントが貯まるから」という理由でお店を選んだ経験がある方も多いでしょう。財布からポイントカードを取り出すたびに、お店の存在を思い出させてくれる効果も期待できます。一方で、ポイントカードを持ち忘れてしまうケースも少なくありません。せっかく貯めたポイントが無駄になってしまい、顧客、お店、双方にとって機会損失になってしまったことは、みなさんも経験があるのではないでしょうか。
スマートフォンに直接通知を送るプッシュ通知機能は、セールやキャンペーンの情報、新商品発売のお知らせなどをタイムリーに顧客へ届け、購買意欲を高めることができます。
顧客の購買履歴や属性情報に基づいて、個々の顧客に合わせたパーソナライズされたメッセージを送信することも可能です。顧客にとってより魅力的な情報を提供することで、より効果的な再来店促進が期待できるでしょう。
ポイントカードアプリは、顧客とのコミュニケーションを強化できるため、ロイヤリティの高い顧客関係を築くための強力なツールとなります。
4. 顧客データで、より効果的な販促活動を実現
従来のポイントカードは顧客の購買履歴を把握する貴重なツールでした。しかし、データ分析は困難で、きめ細かな販促活動をけん引するのは難しかったのが現状です。
しかし、ポイントカードアプリでは、詳細な顧客データを収集・分析し、データ分析を駆使することができ、顧客満足度向上、売上アップ、顧客ロイヤルティ強化など、さまざまな成果が期待できます。アプリで管理できる顧客データは、効果的な販促活動を実現するための強力なツールとなるのです。
ポイントカードアプリから得られるデータ
●累計購入額
●来店回数
●購入商品
●来店時間帯
●利用クーポン
これらの分析で、顧客の購買傾向やニーズを深く理解することができます。
データ分析に基づいた販促施策例
●購入頻度・金額に応じたポイント還元率調整
●購入履歴に基づいたおすすめ商品提案
●誕生日・記念日クーポン配信
●来店時間帯・曜日別キャンペーン
●地域・属性別セグメントマーケティング
ポイントカードアプリでは、従来のポイントカードでは不可能だった、顧客一人ひとりに合わせたきめ細かな販促活動が可能になります。
5. グループ店舗の利用促進と集客効果
複数店舗を運営する企業にとって、グループ全体の利用促進と集客効果を高めることは重要な課題ですよね。従来の紙やプラスチックのポイントカードは、発行店舗でのみ利用可能など、制約がありました。しかし、アプリであれば簡単に複数店舗で共通利用できるため、顧客の利便性を向上させ、グループ全体の利用促進に繋げられます。
5つの集客効果
●「ポイントカードを持っているからこの店舗にも行ってみよう」という顧客の行動を後押し
●グループ全体のポイント還元率を統一することで、顧客の購買意欲を高める
●アプリ上でグループ店舗の情報をまとめて閲覧できるため、顧客の利便性を向上
●各店舗のキャンペーン情報をアプリで配信することで、顧客の来店を促進
●顧客の購買データ分析に基づいて、グループ全体のマーケティング戦略を最適化
複数の店舗がそれぞれ集客をするよりも、グループ全体で集客したほうが大きな効果が見込めます。また、集客にかける工数やコストを削減できるのもメリットです。
ポイントカードアプリのデメリットとは?
ポイントカードアプリ導入は、顧客満足度向上の向上や販促効果が期待できる一方で、デメリットも存在します。
導入・運用コスト
●独自アプリ開発や定額制サービス利用には継続的な費用が発生
●無料サービスでも店舗情報登録や初期設定に人的コストがかかる
●アプリ更新や不具合対応も必要
●高齢者などスマホ操作に慣れていない顧客へのサポートが必要
利用者層の制限
●スマホ利用に慣れていない高齢者や、そもそもスマホを持っていない人は利用できない
これらのデメリットを克服するために、以下の対策が考えられます。
●低コストで導入できるサービスの利用
●アプリの操作説明を分かりやすく提供
●紙のポイントカードも併用
●ターゲット層に合わせたアプリ機能の開発
ポイントカードアプリ導入は、メリットとデメリットを理解した上で、慎重に検討することが重要です。
ポイントカードアプリの作成方法について
ポイントカードアプリの代表的な作成方法を、2つ解説します。
1. 自社でアプリ開発
自社でポイントカードアプリを開発する場合、一般的な手順は以下のとおりです。
1.要件定義:アプリで実現したい機能やデザイン、ターゲット層などを明確にする
2.設計・開発:要件定義に基づいて、アプリの設計・開発をする
3.テスト:アプリの動作や機能を検証する
4.リリース:アプリストアにアプリを公開する
5.運用・保守:アプリのアップデートやキャンペーンの実施、顧客からの問い合わせ対応などを行う
自社開発のメリット
●自由度の高いアプリ開発が可能
●独自機能の追加で差別化を図れる
●長期的な視点で運用できる
自社開発のデメリット
●費用や期間がかかる
●アプリ開発経験が必要
●セキュリティ対策の徹底は必須
自社開発は、自由度の高いアプリ開発が可能な一方、費用や期間がかかるなどのデメリットもあります。アプリ開発経験がない場合は、開発会社に依頼することも検討しましょう。
2. アプリ開発会社に依頼
アプリ開発会社に依頼すれば、専門知識を持つプロが、希望に沿ったポイントカードアプリを制作してくれます。
1)パートナー選びの際に考慮するポイント
●実績豊富な企業
●パッケージ展開している企業
●自社の希望に合った開発実績がある企業
●費用や納期
●サポート体制
2)要件定義の際、開発会社と確認するポイント
●アプリで実現したい機能
●デザイン
●ターゲット層
●予算
●スケジュール
3)開発について
開発会社がアプリを開発します。定期的に作業の進捗確認をし、必要に応じて修正をします。
4) テストについて
開発会社がアプリの動作や機能を検証します。問題があれば修正をします。
5) リリースについて
開発会社がアプリストアにアプリを公開します。
6) 運用・保守について
開発会社がアプリのアップデートやキャンペーンの実施、顧客からの問い合わせ対応までサポートします。
アプリ開発会社に依頼するメリット
●専門知識を持つプロが開発
●希望に沿ったアプリ制作
●スピーディーな開発
●豊富なサポート
アプリ開発会社に依頼するデメリット
●費用がかかる
●自社開発よりも自由度が低い
開発ツールによっては、特定のシステムとの連携に特化しているものもあります。ポイントカードアプリ導入を成功させるためには、既存システムとの連携要件を事前に明確にして適切なツールを選ぶようにしましょう。
ポイントカードアプリを導入・運用する際の注意点
ポイントカードアプリは、顧客満足度向上や販促効果の期待できる一方で、導入にはいくつか注意すべきポイントがあります。
1. 機能の拡張性や連動性
ポイントカードアプリは、会員証機能だけでなく、顧客にとって便利なさまざまな機能を追加することで、利用促進に繋げることができます。
例)
●商品バーコード読み取りによる店舗在庫確認
●アプリ内クーポン配信
●顧客アンケート機能
●店舗情報閲覧機能
アプリ開発ツールによっては、これらの機能を簡単に追加できるものがあります。機能拡張性の高いツールを選ぶことで、顧客ニーズに合わせたアプリ開発が可能になります。
多くの企業は、すでに会員システムやPOSシステムを導入しています。ポイントカードアプリを導入する際には、これらのシステムと連携できることがポイントです。
連携することで、以下のメリットを得られます。
●顧客情報の二重管理の防止
●購買履歴に基づいた精度の高いレコメンデーション
●ポイントの自動付与
アプリ開発ツールによっては、特定のシステムとの連携に特化しているものもあります。既存システムとの連携要件を事前に確認し、適切なツールを選ぶようにしましょう。
ポイントカードアプリの導入を成功させるためには、機能の拡張性と既存システムとの連動性を考慮した上で、適切なアプリ開発ツールを選ぶことが重要です。
2. 特典による差別化
ポイントカードアプリ導入において、顧客にとって価値のある特典を用意することは、集客効果を高めるために重要です。考慮するポイントは以下のとおりです。
魅力的な特典の提供
顧客にとって魅力的な特典でなければ、ポイントカードアプリをダウンロードしても利用されません。一般的なポイント還元以外にも、企業独自の特典を用意することで差別化を図れます。
独自性のある特典の例
企業独自の希少性のある特典を考えましょう。顧客にとって価値があるかどうかを基準にするのが差別化の起点となります。
顧客の反応を調べる
本当に価値のある特典かどうかは、運用しながら顧客の反応を調べることも重要です。アンケートやレビューなどを参考に、特典内容の改善を図りましょう。
ポイントカードアプリ導入で顧客満足度をより高め、販促効果を期待するためには、顧客にとって価値のある特典を提供することが重要です。
ポイントカードアプリを活用した事例
実際にポイントカードアプリを活用して集客に成功した事例をご紹介します。
ポイントカードアプリを活用した事例 1
「湘南パンケーキ」
ポイントカードアプリで顧客満足度と売上向上を実現!
株式会社湘南Hi Lifeが運営するパンケーキ専門店「湘南パンケーキ」は、ポイントカードアプリを導入し、顧客満足度と売上向上を実現しました。
導入前の課題は、店舗ごとの販促ツールがばらばらで一元管理が困難であり、顧客データの分析と活用ができなかったことでした。
ポイントカードアプリの導入により、以下の効果が得られています。
●顧客データの分析に基づいた効果的な販促活動が可能に: アプリを通じて顧客の購買履歴や嗜好を分析し、ターゲットに合わせたプロモーションを展開できるようになりました。
●各店舗の状況に合わせたプッシュ通知: アプリ内で店舗ごとの情報を配信し、顧客エンゲージメントを高めました。
●購買データに基づいたレコメンデーション: 顧客の購買履歴からおすすめ商品を提案し、売上を増加させました。
●販促効果の測定: アプリの利用状況やキャンペーンの成果を評価し、改善点を把握しました。
●お客様参加型のイベント実績: フォトコンテストやアンケートなど、顧客との対話を促進し、ブランドとの結びつきを強化できました。
「湘南パンケーキ」は、『顧客ニーズに合わせた情報発信や動画配信を通じて生産者様の情報発信を行い、顧客とのコミュニケーションツールとしてアプリを活用予定』と、継続した活動でブランドへの信頼感を高め、今後の顧客満足度と売上向上に期待を寄せています。
ポイントカードアプリを活用した事例 2
新津カントリークラブ
アプリ導入で情報発信の迅速化、DMコスト削減、顧客満足度向上を実現!
新潟観光開発株式会社の「新津カントリークラブ」は、ポイントカードアプリを導入し、情報発信の迅速化、ダイレクトメール(DM)のコスト削減、顧客満足度向上と、3つの成果を同時に実現しました。
導入前の課題として、情報発信の遅さとダイレクトメールのコスト負担がありました。従来の紙媒体では、最新情報をタイムリーに伝えることが困難でした。また、印刷・発送コストも高く、発送作業に多くの時間と労力を要していました。
ポイントカードアプリの導入により、以下の効果が得られています。
●アプリダウンロード数4,000件を達成、多くの顧客にアプリをダウンロードしていただき情報発信の効率化を実現しました。
●DMコスト約50%削減: 紙媒体のDMを大幅に削減し、約50%のコスト削減に成功しました。
●リピーター来場頻度向上: プッシュ通知やクーポン配信などにより、リピーターの来場頻度が向上しました。
●従業員の手間削減: アプリ配信により、DM発送作業にかかる時間と労力を大幅に削減しました。
●リアルタイム情報発信による顧客満足度向上: 最新情報をタイムリーに伝えることで、顧客満足度を向上させました。
【アプリの具体的な活用事例】
イベント情報配信/クーポン配信/スクラッチ機能/バースデークーポン/スタンプ機能 「新津カントリークラブ」は、『今後もクーポンサービスを充実させる予定で、アプリダウンロード数の増加に期待が高まります。顧客満足度向上アプリは、ゴルフ場運営にとって非常に効果的なツールだと実感しています』と、コメントしています。
ポイントカードアプリで広がる無限の可能性
ポイントカードアプリを活用すれば、ポイントカード利用だけに留まらず、顧客とのコミュニケーションを活性化し、売上向上に繋がる革新的な施策を次々と展開できます。
豊富な機能と柔軟なカスタマイズ機能を備えていれば、企業の戦略、そして顧客のニーズに合わせた最適なアプリ開発を実現できます。
ポイントカードアプリの導入による成果
1.顧客満足度向上
ポイントカードアプリを活用することで、リアルタイムな情報発信が可能となります。クーポンやポイント特典など、顧客にとって利便性の高いサービスを提供できるため、顧客満足度が向上します。
2.売上アップ
ポイントカードアプリはリピーター獲得や客単価向上に効果的です。さらに、購買促進などの施策を実行することで売上を増加させることができます。
3.顧客データ分析
アプリを通じて顧客の購買履歴や行動データを収集し、効果的なマーケティング戦略を立案できます。個々の顧客に合わせたサービス提供やターゲット広告の最適化に役立ちます。
4.業務効率化
アプリ活用で、ポイントカード管理やキャンペーン運営などの業務を効率化することで、コスト削減と作業時間の短縮や効率的な業務運営が可能です。
いかがでしょうか。
ポイントカードアプリは、顧客満足度向上、売上アップ、業務効率化など、さまざまなメリットをもたらします。
株式会社バリューワンが提供する「matomaru」は、豊富な機能と柔軟なカスタマイズ性で、企業のニーズに合わせた最適なポイントカードアプリ開発を実現できます。
ポイントカードアプリの導入を検討している方は、ぜひ株式会社バリューワンにご相談ください。