自社の商品をより多くの人に購入してもらうには・サービスを利用してもらうには、どのような方法があるのでしょうか?販売を促進するための取り組みは’販促’と言われますが、販促には種類が多くあります。この記事では、目的ごとに分けて販促について解説し、自社が取り組むべき販促の手法を導けるようにします。
販促とは?
販促とは、販売促進の略称で、消費者に購買を促すための活動のことを指します。販促は、セールスプロモーションとも言われ、自社商品をより多くの人に購入してもらうことが目的とされていますが、販促の本質は、自社の商品・サービスの良さを人々に知ってもらい、施策を通して消費者のニーズを満たすことです。売上を上げることだけを念頭に置かず、消費者に良い商品・サービスを届けることを第一として取り組むようにしましょう。
販促が企業にとって不可欠な理由について
なぜ、’販促’は企業にとって不可欠とされているのでしょうか?その理由として、社会が発展したことが挙げられます。現代社会では、商品やサービスが多く存在しているため、ただ商品を生産しただけ・サービスを生み出しただけでは、必ずしも手にとってもらえるとは言えなくなりました。また、SNSの普及により、今までよりも消費者が商品・サービスの情報を入手しやすくなり、自分に合う良い商品を消費者自身で選択しやすくなっています。
せっかく生み出した良い商品・サービスでも、消費者に認知され、購入しようと思ってもらわなければ、あまり意味がありません。商品・サービス・情報が沢山ある今だからこそ、企業は’販促’に取り組む必要があるのです。
消費者が購入に至るまでのプロセス
次に消費者が購入に至るまでのプロセスについてです。プロセスは、①認知→②興味・関心→③比較・検討→④購入→⑤継続利用となっています。それぞれの工程の詳細を見ていきます。まず、消費者が企業や商品・サービスがあることを認知し、認知した消費者が「商品やサービスを利用したい」と興味・関心を持つようになります。その後、興味を持った消費者が、商品・サービスについてより詳しく調べ、他社商品・サービスと比較し、購入するか検討する段階を得て、購入に移ります。商品・サービスによっては、一回の購入だけでなく、繰り返し・継続して購入・利用する場合もあります。
消費者が購入するまでにはこのようなプロセスがあるため、工程ごとに適切なアプローチを行うことが大切と言えるでしょう。
販促における3つの種類
販促には目的に合わせて3種類に分けられるとされています。上記でみたプロセスをふまえて、自社はどの工程が弱く、購入に至っていないのか、自社の状況・課題を分析して、目的に合わせた販促に取り組むことが、効果的です。
認知度を向上させる方法
まずは、認知度を向上させるための販促です。認知度を向上させるためには、以下5つの手法が挙げられます。
・マス広告
1つ目は、テレビや新聞、雑誌などマスメディアに広告を出すことです。マスメディアを利用することで、子供から高齢者まで幅広い世代をターゲットにアプローチをすることができるため、認知度向上には有効な手法とされています。
・チラシやクーポンの配布
2つ目はチラシやクーポンの配布です。チラシの活用法としては、チラシを新聞折込やポストに入れることや、街頭で直接配布することが挙げられます。チラシは配布する地域を限定して配布することもできるため、アプローチする地域が明確に定まっている場合、特に有効とされています。さらに、チラシにクーポン等特典を付けることで、さらなる効果も見込めるでしょう。
・看板や旗の設置
3つ目は、看板や旗の設置です。新しく店舗を開店する場合、看板や旗を店舗前に設置することで、商品・サービスを周囲に知らせることができます。看板や旗を活用して、人々の印象に残すことができるため、看板や旗のデザイン性も重要となるでしょう。
・インターネット広告
4つ目は、インターネット広告です。インターネット広告には、検索エンジンの検索結果に表示する「リスティング広告」や、webサイト上の広告欄に画像や動画のバナーを載せる「ディスプレイ広告(バナー広告)」や動画サイトで動画再生の間に挿入する「動画広告」など、様々な広告の種類があります。インターネット広告の特徴として、年齢・性別などターゲットを細かく設定して広告を出すことができるところが挙げられるため、ターゲットや目的に合わせて、適切なインターネット広告を選ぶようにしましょう。
また、インターネット広告は効果をデータとして可視化しやすいため、広告による効果が出ているのか、仮説を立て検証することを繰り返すことで、さらなる効果を見込めるようになります。
・SNSの活用
5つ目は、SNSの活用です。インスタグラムやTwitterを始めとするSNSは、比較的費用がかからずに、誰でも取り組むことができます。SNSの種類によって、年齢層などユーザーの特徴が異なるため、アプローチしたいターゲットや商品・サービスの特性に合わせたSNSを活用するようにしましょう。
これらの手法を活用することで、認知度の向上に繋げることができます。手法ごとにアプローチする対象や予想される効果が異なるため、上手く組み合わせて取り組むことで、より高い効果が見込めるでしょう。
購入や消費を促す方法
次に、消費者が商品・サービスを実際に購入するよう促す手法についてです。購入や消費を促す販促には以下7つの手法が挙げられます。
・サンプリング
1つ目は、商品のサンプルを渡して、お試しで利用してもらうサンプリングです。消費者に実際に商品を試してもらうことで、商品の特性や良さを直接実感してもらうことができます。商品を購入するか悩んでいる消費者に、商品の良さを体感してもらい、購入するよう促すことができるのです。特に、化粧品など実際に使用してみないと、自分に合うか分からない商品において、サンプリングは有効であると言えるでしょう。
・プレミアム手法
2つ目は、プレミアム手法です。プレミアム手法とは「購入した方には特典が付きます」のように、商品購入に対して何らかの特典を付ける方法を指します。お得感を出し、消費者が購入するハードルを低くして、より多くの消費者に購入してもらうことを目的としています。購入するハードルを低くする効果が期待されるため、一時的なキャンペーンとして、新規顧客獲得に向けて有効な手法とされています。
・プライス手法
3つ目は、値引きや期間限定価格、セット販売など価格面でお得感を出し、購入を促す手法を指します。価格面でこのようなメリットを付けることは、消費者が商品を購入するハードルを低くし購入を促す点で、プレミアム手法と同じような効果が見込めるとされています。
・実演販売
4つ目は、実演販売です。実演販売とは、消費者に実際に商品・サービスを利用している場面を見せて、商品・サービスの特性・良さを知ってもらうことを目的とした手法です。実演販売を通して、企業は商品・サービスの良さを消費者に直接伝えることができる点がメリットとして挙げられます。
・他社とのコラボレーション
5つ目は、他社とのコラボレーションです。自社商品・サービスと他社ブランドや人気キャラクターとコラボすることで、新規顧客開拓を目的とした手法です。他社とコラボレーションすることで、より多くの消費者に自社を知ってもらうことができるため、認知度向上にも繋がると言えるでしょう。
・POP広告
6つ目は、POP広告です。POP広告とは’Point of purchase advertising’の略称で、購買時点広告のことを意味しています。POP広告には、商品名やキャッチコピー、説明文、価格などが記載されています。POP広告は、商品の最も近くにある広告であるため、消費者が購入したいと思うような見栄えやメッセージとすることが重要となるでしょう。
・店員への教育
7つ目は、従業員への教育です。店頭販売において、従業員の振る舞い方、接客態度は消費者の購入意欲に大きな影響を与えるとされています。消費者に購入したいと思ってもらうためには、接客面での高い質も重要なポイントとなります。従業員への教育は、見逃されやすいポイントであり、効果がすぐ数値として表れにくい取り組みではありますが、長期的な視点で見るとお店の評価にも繋がるため、従業員への教育も積極的に取り組むようにしましょう。
リピートしてもらうための方法
最後に、購入後も継続して商品・サービスを利用してもらうための販促についてです。商品・サービスを継続して購入してもらうことで、利益に繋がるため、購入に向けての販促だけでなく、リピーターを増やすための試みも重要となります。リピートしてもらうためには、以下5つの手法が挙げられます。
・ポイント制度の導入
1つ目は、ポイント制度の導入です。商品を購入するごとに、ポイントが貯まり、貯まったポイントに応じて特典がもらえるポイント制は、ポイントを貯めるために自社の商品・サービスを再び利用してもらうことを目的とした制度です。近年、’ポイ活’という言葉が広まり、ポイ活に取り組む人が増えているため、ポイント制の導入は有効な手段であると言えますが、多くの企業でも導入されているため、他社との差別化を行う必要があるでしょう。
・会員を組織化する
2つ目は、会員を組織化することです。会員の組織化とは、購入額等で購入者を分類し、購入額が高い消費者には何らかの特典を付与することです。購入者の中でグループ分けを行うことで、消費者がより高いグループに属するよう、競争心を持つようになるといった効果も見込めます。このように会員を組織化することは、さらなる購入を促すことを目的とした手法であるとされています。
・メルマガの配信
3つ目はメルマガの配信です。新商品や期間限定セールなどお得な情報をメルマガとして配信することで、消費者と定期的な接点をもつことができます。メルマガに、メルマガ配信者限定サービスなど特典を付与することで、さらなる効果も見込めるでしょう。
・クーポンの配布
4つ目はクーポンの配布です。クーポンの配布は、購入に向けた販促だけでなく、リピーターを増やすためにも有効な手法です。次回来店時に使用できるクーポンや、クーポンの使用期限を定めることで、より高い効果が見込めるとされています。店頭で配布するのか、メルマガに付与するのか、SNSをフォローすることで付与するのか、クーポンの配布にも様々な手段があるため、ただクーポンを配布するだけではなく、より多くの人に利用してもらえるよう配布方法もよく検討するようにしましょう。
・定期購入制度の導入
5つ目は、定期購入制度の導入です。定期購入制度とは数か月に一回など、定期的に商品を購入する仕組みのことです。定期的に継続して購入する方が、安価・特典がもらえるなど、何らかのメリットがあることを消費者には、しっかり提示するようにしましょう。また、定期購入する消費者が定期購入を継続したいと思えるよう、消費者と向き合うことが大切です。
まとめ
ここまで販促について、販促に取り組む理由から商品購入に至るプロセス、目的にあった販促の手法について見ていきました。販促には様々な種類があるため、自社の状況や自社が達成したい目標に合わせて、適切な手法を取り入れるようにしましょう。
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