近年、さまざまな場面でDX(デジタルトランスフォーメーション)化という言葉を聞くことが多くなってきていませんか?
DX化とは広義には業務やサービスにデジタル技術を浸透させていくという考え方ですが、最近ではそこからさらに踏み込んだ考え方としてO2O(Online to Offline)、OMO(Online Merges with Offline)というキーワードもよく聞くようになってきました。
今回の記事では、UX(顧客体験)やマーケティング戦略上とても注目されているO2O、OMO分野に関してわかりやすく解説させていただきます。
【この記事はこんな方にオススメです】
・オンラインとオフライン施策のあり方を正しく理解したい
・自社マーケティングのO2O、OMO化に向けて知識を得たい
・自社のDX化を促進していきたい
O2O、OMOとは何なのか
O2OとOMOはどちらもマーケティング戦略を構築していく考え方を示したもので、オンラインとオフラインの施策に対しての考え方が異なります。
著名な経営学者であるフィリップ・コトラーの提唱によれば、1990年代頃から企業がインターネットを使ったマーケティング活動を開始し、2010年代以降はユーザー自らがインターネット上だけでなくさまざまな媒体で情報を調べ、情報拡散する時代になったと定義しました。
そのため、企業がこの先販促活動を続けていくうえで、オンラインとオフラインでの販促方法についてどのようなマーケティング戦略のスタンスを持っておくのかは非常に重要な要素となります。
O2Oの定義
O2Oとは、オンラインとオフラインの施策を切り分けて考え、ユーザーが双方を行き来しながら情報を得ていくというマーケティング施策です。
実店舗とECサイト、イベントスペースとSNSのような形で、あくまでオンラインとオフラインは別の施策と定義した上でユーザーに購買行動を促し、そのチャネル同士を行き来させ行動データを収集します。
どちらかと言えば、企業目線寄りの施策と言えるかもしれません。
OMOの定義
それに対してOMOは、オンラインとオフラインの間に境界線を作らず、UXに重点を置いてユーザーのデータを集めていくマーケティング施策です。
実店舗でQRコードを使ったオンライン施策を行ったり、スマートフォンから注文したものを移動先で受け取ったりと、ユーザー側が既にオンラインとオフラインを同時にこなす時代であることに即してサービス展開し、企業側はユーザーの行動から情報を集めサービスを更新していくことでユーザーの購買プロセスを最適化していきます。
今の時代のユーザーの目線に合わせた、UXを重視した施策と言えます。
O2O、OMOの違いとは
たとえば、ユーザーが服を買いたいと考えた時、O2OとOMOでどのように施策の違いが出てくるでしょうか。
O2O的な考え方であれば、スマホやPCでECサイトを訪れたユーザーに対して店舗で使えるクーポンを配布したり、店舗にてお店のSNSアカウントの宣伝をしたりします。
オンライン上からオフラインの行動を、またはオフライン上からオンラインの行動を促す、「顧客の誘導」をベースとした仕組みであり、即効性のある効果が期待できます。
OMO的な考え方であれば、スマートフォンのGPS機能を利用して近隣店舗の新商品情報を送ったり、店舗で複数のモバイルペイメントを利用できたり、という仕組みになります。
これは「顧客の体験」をベースとしたものであり、長期的にリピート率を向上させたり、ファン化を促したりする効果が期待できます。
O2O、OMOマーケティング実施に必要なこと
O2O、OMO問わず、施策実施に必要なポイントは「データを蓄積していく」という考え方です。
O2Oであれば企業目線、OMOであればユーザー目線でのデータ蓄積になっていきますが、どちらもユーザーのデジタルな行動データを蓄積し、施策改善に役立て、改善された施策で得られたデータを利用して、というサイクルに違いはありません。
そのため、ユーザーがどこでどんな行動をしたのかという、チャネル別の行動データを一元管理できるような仕組みを自社の中に構築しておくのは非常に大切です。
O2O、OMOでDX化を実現させよう
いかがでしたでしょうか。
今回はO2O、OMOの施策の定義や考え方の違いを中心に解説しました。
どちらの施策が優れているか、ということではなく、これから自社でDX化を促進していくにはどちらが適しているのかという視点で捉えていただければ、きっと顧客満足度の高い施策を実施することができるはずです。
今からO2O、OMO施策を考えDX化していきたいとお考えであれば、まずは「顧客データを蓄積する」というところから始めてみてはいかがでしょうか。