アプリのアイコンは、「アプリの顔」とも言える存在です。数々のアプリの中でユーザーの目に留まるためには、ブランドイメージに合った魅力的なアプリアイコンにすることが重要です。
本記事では、アプリアイコンの重要性と、作成手順やコツを分かりやすく解説します。他のアプリに埋もれることなく、より多くのユーザーにアプリをダウンロードしてもらうためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
アプリアイコンの重要性
アプリのアイコンは、アプリの魅力や主な機能、ブランドのイメージを伝えるための重要な要素です。そのため、一番初めにユーザーの目に触れるアイコンでアプリの第一印象が決まるといっても過言ではありません。
ユーザーの多くはアプリを選ぶときに、アプリストアでキーワードを入力・検索して一覧の中から探したり、同じような機能のアプリをまとめて紹介しているサイト等から比較検討します。どちらのケースも「数あるアプリの中から探し出す」という点が共通しています。そのため、アイコンを見ただけでアプリの内容や機能が分かるデザインであるほど、ダウンロードされる可能性が高くなります。
また、アプリのアイコンは「ASO対策(アプリストア最適化)」に必要な要素のひとつでもあるため、ユーザーに自社アプリを見つけてもらうためにも、こだわったデザインにする必要があるのです。
アプリアイコンのデザインを作成する手順
魅力的なアプリアイコンをデザインするには、以下の手順で進めるのがおすすめです。
1.マーケティング戦略を考える
アプリも、自社商品・サービスのうちのひとつだと考え、マーケティング戦略にもとづいてデザインを作成することが重要です。
- ターゲットユーザーの明確化(Who)
- アプリで提供する価値・顧客対験(What)
これらはアイコンのデザインだけではなく、アプリ自体の設計にも重要な要素となります。上記のような、マーケティング戦略を軸に設計をすることで、自社商品・サービスとズレないデザインを考案できるようになります。また、競合他社がすでにアプリをリリースしている場合には、競合分析も行ってみることもおすすめです。競合にはない自社の魅力をデザインに起こすことで、差別化を図ることができるでしょう。
2.ユーザーにとっての魅力や価値を考える
次に、ユーザーに伝えたい・感じてほしい自社商品・サービスの魅力や価値を深堀りします。ここでは、「ユーザーに対して何を届けられるか」という視点が大事です。カメラアプリや動画アプリを例に考えてみると、「様々なフィルターで写真や動画が撮影できる」ことと「撮影した写真や動画を好きなように編集できる」ことでは、ユーザーに対して提供できるものが異なります。「撮影が楽しめるアプリ」の場合は、キラキラしたポップなデザインにし、「編集が楽しめるアプリ」の場合は、鉛筆マーク等で編集できることが分かるデザインが好ましいでしょう。
3.具体的なデザインに起こす
ターゲットユーザーの明確化、ユーザーに対する提供価値を定められたらデザインに起こしましょう。アイコンのデザインは、機能重視のアイコンやブランドイメージ重視のアイコンなど、複数作成することがおすすめです。デザインが完成したら、第三者にチェックをしてもらいフィードバックをもらうこともおすすめ。ブラッシュアップを繰り返し、魅力や意図がいちばん伝わるアイコンに仕上げましょう。
必要に応じて、パターン検証(A/Bテスト等)を行ってみることも大切です。
プラットフォームごとのガイドライン
アイコンのデザイン作成を進めるにあたり、アプリストア(App Store・Google Play)のガイドラインについて確認しておくとよいでしょう。ここでは、各アプリストアに掲載されている内容の一部をご紹介します。
App Store(iOS)のガイドライン
デベロッパー向けのサイトで、アプリアイコンのデザインの基本を掲載しています。以下は、一部抜粋したものです。
- シンプルで視認性の高いデザイン
- テキストは重要な場合のみ含める
- デバイスやプラットフォームに合わせて調整
- 写真よりもグラフィックイメージを優先
引用:https://developer.apple.com/design/human-interface-guidelines/app-icons
Google Play(Android)のガイドライン
Google Playも同様に、デベロッパー向けのサイトでアイコンのデザイン仕様を掲載しています。一部抜粋したものは、以下の通りです。
- マテリアルデザインに準拠する
- 独自の形状や効果は使用しない
- イラストの場合は余白を持たせない
- ブランドカラーを反映する
引用:https://developer.android.com/distribute/google-play/resources/icon-design-specifications?hl=ja
アプリのアイコンをデザインする時のコツ
ここからは、アプリのアイコンをデザインする時の基本やコツを解説します。マーケティング戦略や提供価値以外の意識したいポイントについて、具体的にみていきましょう。
シンプルに見やすく
一目でアプリの内容が伝わるようなシンプルで明確なビジュアルを意識しましょう。複雑すぎるデザインや過剰なテキストを盛り込んでしまうと、スマホなどの小さい画面上では視認性が悪くなり、ユーザーが認識しにくくなってしまいます。ブランド名やアプリ名の頭文字だけを使用しているアプリも多くあり、なるべく無駄な情報を省くことでユーザーが認識しやすいデザインにしてみましょう。
ブランドを意識した色使い
ただ目立つ色やカラフルなデザインではなく、ブランドイメージに沿ったカラーを使用しましょう。イメージカラーがある場合は、そのカラーでアイコンをデザインすることで、ぱっと見ただけで何のアプリかユーザーに認識してもらえるでしょう。ブランドカラーをアイコンに使用しているアプリの例として、キャッシュレスアプリのPayPayや、メッセージアプリのLINEなどが挙げられます。
トレンド・季節感を取り入れる
アプリアイコンのデザインにも、トレンドがあります。トレンドに合わせたデザインにすることで、ユーザーに新鮮な印象や流行感を与えることができます。アプリストアのランキングなどを参考にトレンドやアップデート履歴を調査・分析してみましょう。ただし、トレンドに流されすぎてしまうと、アプリのコンセプトや伝えたい情報がブレてしまう可能性があるため注意が必要です。旅行関連のアプリや漫画アプリなどは、春シーズンには桜を加えるなど季節感をアイコンに反映させています。
テキストは極力少なく
アプリのアイコンにテキストを挿入する場合は、極力少なくしましょう。テキスト量が多くなってしまうとその分アイコン自体が複雑になってしまい、読みにくくなってしまいます。最も目立たせたい内容を精査し、読みやすさ・見やすさを重視することが大切です。
ロゴをそのまま使用する
ロゴをそのままアイコンに使用したデザインにすることも定番です。自社サービスやブランドロゴの認知度が高い場合や、他のアプリに埋もれず目立たせたい場合に効果的なデザインです。GUやユニクロなどのファッション系アプリや、KFCやスターバックスコーヒーなどのチェーン店アプリが代表的なアプリとして挙げられます。
アプリアイコンのデザイン作成に役立つツール
アプリのアイコンを作成する際に活用できるデザインツールをご紹介します。
Canva
Canvaは、ブラウザ上で操作できるオンラインデザインツールです。豊富なテンプレートや素材が多く用意されているため、デザインの知識やスキルがなくてもクオリティの高いアプリアイコンを作成することが可能です。さらに、テンプレートを独自に編集することもできるため、オリジナルのアイコンを作成することができます。
Adobe Illustrator
Adobe Illustratorは、Adobe社が提供するグラフィックソフトです。豊富な描画ツールが用意されているため、ロゴやイラストなど、あらゆる種類のデザイン作成が可能で、より繊細でオリジナリティ溢れるアイコンを作成したい場合には最適です。Illustratorは有料ソフトですが、無料体験版も用意されているため、まずはお試しで利用してみることをおすすめします。
GIMP
GIMPは、無料で利用できるオープンソースの画像編集ソフトです。レイヤー、マスク、フィルターなど、画像編集に必要な機能が充実しているのが特徴です。アプリのアイコンに画像を編集して使用したい場合には、活用してみるとよいでしょう。多機能が故に、操作に慣れるまで時間がかかる場合もありますが、チュートリアルなども用意されているので、初心者でも安心して利用することができます。
アプリアイコンデザインの参考になるサイト
iOS Icon Gallery
https://www.iosicongallery.com/
iOSのアプリのアイコンだけを集めたサイトで、この記事執筆時点では2000個を超えるアプリアイコンが登録されています。色別やカテゴリー別にアイコンを検索することもでき、iOSだけではなくMacやApple Watchのアイコンも参考にすることができます。
Iconsfeed
http://www.iconsfeed.com/
このサイトは上記の「iOS Icon Gallery」と同様に、iOSアプリのアイコンを収集したもので、カテゴリー、タグ、色それぞれのジャンルで検索できるようになっています。アイコンカラーを参考にしたい場合に適している参考サイトです。
Dribbble
https://dribbble.com/tags/appicon?s=popular
世界中のデザイナーの様々なデザインが見られるサイトです。アイコンだけでなく、アプリのUIやグラフィックデザイン、イラストレーションに関連する作品も掲載されているため、アプリ自体のデザインの参考にも活用できます。
Behance
https://www.behance.net/search/projects/?field=131&sort=appreciations&time=all&search=appicon
このサイトも、上記「Dribbble」と似たようなサイトとなっていて、世界中のクリエイターのデザインを観ることができるサイトです。アイコンのほか、様々なクリエイティブに触れることができるサイトです。
https://www.pinterest.jp
様々な写真を共有できるサイトで、おしゃれな画像や写真が複数掲載されています。自分の好みで検索をかけることができ、関連する画像が表示されるためお気に入りのデザインを見つけやすいでしょう。フリー素材であれば、そのままアイコンに使用することも可能です。
まとめ
アプリのアイコンは、ユーザーがアプリを認識するための重要な要素です。ターゲットユーザーに訴求するデザインや、アプリの機能や世界観を表現するデザインなど、自社のマーケティング戦略やコンセプトに合ったものにすることが大切です。また、アプリのアイコンは編集し更新することもできます。一番魅力的なアプリのアイコンを見つけ出して、アプリ運用の成功に繋げましょう。
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