アプリ開発時や、アプリマーケティングを実施する時に、ぜひ活用してみてほしい技術のひとつが「ディープリンク」です。
本記事では、これからアプリ開発を検討されている方や、既にアプリ運用中で更なるアップデートを考えている方に向けて、ディープリンクの基本的な仕組みやメリット、実際のアプリ運用での活用事例についてご紹介します。ぜひ最後までお読みいただき、ディープリンクの具体的な活用イメージにお役立てください。
ディープリンクとは
ディープリンクとは、Webサイトの特定のページや、スマートフォンアプリのコンテンツに直接アクセスできるリンクのことをいいます。通常のリンクはトップページやホームページへ遷移しますが、ディープリンクは特定のページに遷移させたり、スマートフォンアプリを直接起動させることができるようになります。
Webサイトのディープリンク
Webサイトのディープリンクは、ブラウザ内で特定のページへ直接遷移する方法と、Webからアプリ内コンテンツへ直接遷移する方法があります。たとえば、ニュースサイト内で「新着ニュースをみる」のリンクをクリックすると特定のニュース記事が開いたり、ECサイトの「アプリで閲覧」のリンクをクリックすることでアプリが起動し、特定のコンテンツページを開いたりするものです。
アプリのディープリンク
アプリのディープリンクは、あるアプリから別のアプリへ直接遷移する方法です。たとえば、飲食店アプリの「地図をみる」のリンクをクリックすると、別の地図アプリが起動し、店舗情報などを閲覧することができます。
ディープリンクの仕組み(種類)
Custom URL Scheme(URIスキーム)
Custom URL Schemeは、アプリ内のコンテンツに紐づいたリンクをクリックすると、アプリの起動許可を確認するダイアログが表示され、許可した場合にアプリを起動する仕組みです。そのため、ディープリンクからアプリを起動するには、アプリがインストールされている必要があります。
アプリをインストールしていない場合は、アプリストアへの遷移となったり、何も表示されない可能性もあるため注意しましょう。
Universal Links・App Links
Universal LinksはiOS、App LinksはAndroidと、デバイスでタイプ分けされ使用されるディープリンクです。これらは、既存のURLとアプリを結びつける仕組みで、特定のWebページとアプリ内コンテンツを一致させることができます。ユーザーがリンクをクリックすると、アプリをインストールしている場合は指定されたアプリ内コンテンツへ遷移し、インストールしてない場合はWebサイト上の特定ページに遷移します。この方法は、起動確認のダイアログは表示されず、アプリが起動したりWebページに飛びます。
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ディープリンクのメリット
ユーザーのストレスを軽減できる
アプリのディープリンクは、ユーザーが求める情報やコンテンツに直接遷移できるため、「自分で探す・移る」という中間のステップを省くことができます。適切な場所にディープリンクを設置することで、ユーザーのストレスを軽減でき、満足度向上にも繋がります。
見せたいコンテンツにユーザーを誘導できる
せっかく準備したコンテンツや新製品の情報など、見せたいコンテンツをなかなか見てもらえない・・という時に、ユーザーに直接アクセスさせる導線づくりが可能になります。多数の商品を扱うECアプリや、店舗数の多い飲食アプリにおいて有効です。見せたいコンテンツにアクセスさせることで、売上向上やユーザーエンゲージメントの向上にも寄与します。
アプリの継続率を高められる
ディープリンクの活用で、ストレスが軽減されたり利便性が高まることで、ユーザーのアクティビティが増え、アプリの継続利用率を高められます。WebサイトやSNSにディープリンクを設置すれば、アプリを長期間使用していなかった「休眠顧客」の掘り起こしも期待できます。
広告からアプリ内コンテンツへ案内できる
バナーなどの広告にディープリンクを使用して、アプリ内のコンテンツに誘導することもできます。広告からアプリへのシームレスな遷移ができるようになるためアプリの利用促進に繋げられたり、ディープリンクの設定次第で、ダイレクトに購入まで誘導することも可能です。
コンバージョン率(CVR)の改善につながる
購入やサブスクリプション登録などのアクションをスムーズに完了できるようになれば、コンバージョンへのハードルが下がるため、コンバージョン率の改善が期待できます。購入までのステップが多ければ多いほど、ユーザーの購買意欲は下がります。そこを、ディープリンクを活用してワンステップで完了させることで離脱率を下げ、購入率(コンバージョン率)アップに繋げることができます。
ディープリンクはアプリ運用において重要!
前で解説した通り、ディープリンクは使い方次第で新規顧客の獲得や、リピーター獲得、シームレスなユーザー体験に寄与します。そのため、アプリ運用をするうえでは活用するべき技術だといえます。
プラットフォーム別|ディープリンク対応
ここでは、ディープリンクの実施についてプラットフォーム別にご紹介します。
Google検索エンジンやGoogle広告からリンクをタップすることでユーザーをアプリ内の特定コンテンツページに誘導することができます。へユーザーを誘導することができます。これにより、ユーザーはアプリ内でシームレスにコンテンツを閲覧でき、ユーザー体験を向上させます。
Apple
AppleはiOSアプリにおけるディープリンクとしてUniversal Linksを提供しています。ウェブリンクをクリックするだけで自動的にアプリ内の特定コンテンツページへ誘導できます。これにより、ユーザーはSafariやその他のブラウザではなく、アプリ内でコンテンツを閲覧できます。
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)は、ツイート内にディープリンクを設置できる機能を提供しています。ポスト内のリンクをクリックすると、対応するアプリ内の特定のコンテンツへ誘導される仕組みです。これにより、ポストを通じた誘導がスムーズになり、エンゲージメントが向上します。
Facebookは、App Linksというディープリンクを提供しています。App Linksは、本記事の冒頭でも説明した通り、Webサイトまたは別アプリから、アプリ内の特定のコンテンツに遷移させることができます。Facebook投稿やFacebook広告からアプリに直接アクセスすることが可能です。
アプリのディープリンク活用事例
飲食店アプリから地図アプリへのリンク
飲食店アプリの各店舗のページに「ルート案内」ボタンを設置し、それをクリックすることでGoogleマップやAppleマップが開き、該当の店舗へのルートを表示します。ボタンをタップするだけで目的地へのナビゲーションを開始することができるため、地図アプリを開いて店舗の住所を入力、検索する手間を省くことができ、ユーザーのエンゲージメントを高められます。
メディアアプリで記事や動画へのリンク
メディアアプリでは、特定の記事や動画へのアクセスをスムーズにするためにディープリンクが活用されています。具体例として、Yahoo!ニュースやLINE NEWSでは、プッシュ通知やソーシャルメディアでシェアされたリンクをクリックすると、関連するアプリ内のページが直接開かれます。ユーザーはブラウザを経由することなく、読みたい記事や視聴したい動画にアクセスできるため、利便性が大幅に向上します。
ショッピングアプリで商品ページへのリンク
セール情報や特定商品のプロモーションリンクをメールやSNSで配信し、ユーザーがリンクをクリックするとアプリ内の該当する商品ページが開かれるように設定します。トップページから、欲しい商品を探し直す必要がなく、閲覧したい商品ページに直接誘導ができるため、シームレスな購買体験を提供することができます。購入完了までスムーズに行うことができるようになり、購入率も高められます。
まとめ
アプリのディープリンクは、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、特定のコンテンツへスムーズに誘導するのに重要かつ便利な手段です。ディープリンクを活用することで、アプリ自体もシンプルにでき、ユーザーのストレス軽減やアプリの継続利用率向上などが期待できるため、より効果的なアプリ運用には欠かせません。
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