自社アプリを導入したいけど、プログラミングスキルが足りなくてアプリ開発を諦めたことはありませんか?
そんな方に今回おすすめするのが「ノーコード開発」です。
ノーコード開発ツールを活用すれば、プログラミングの知識がなくても簡単にアプリやWebサイトを作成できます。
ソースコードを使う必要がないため、シンプルな操作性で開発を可能にします。
本記事では、ノーコード開発の基本から注意点を解説します。最後にはおすすめのツールも紹介していますので、あなたのアイデアを形にするための第一歩にお役立てください。
目次
ノーコード開発とは?
ノーコード開発とは、プログラミングの知識がなくてもアプリケーションやWebサービスを作成できる開発手法です。
通常の開発プロセスではソースコードを記述しますが、ノーコード開発はソースコードの記述が不要です。そのため、短期間での開発が可能となるのです。
最近はIT人材不足の深刻化が問題となっていますが、ノーコード開発はコーディングが不要なため、プログラミングに関する専門知識が少ない人でも、直感的な操作でアプリやWebサービスの開発がしやすい点も特徴のひとつです。
また、ノーコード開発は生産性の向上にもつながるという点からも、近年注目を集めています。
ノーコードが広がっている背景
ノーコードが多くの方に注目されているのには、以下のような背景があるからです。
●IT人材の不足
●DX化の促進
●ノーコード/ローコード市場の加速
それぞれ解説します。
IT人材の不足
先でも説明したように、最近は慢性的なIT人材不足が深刻化しています。
例えば企業がフルスクラッチでアプリを開発する場合、アプリ開発のスキルを持つ人材を確保する必要がありますが、そのような企業はそう多くはないのが現状です。
そのため、アプリ開発会社に外注することが一般的です。
しかし、技術的なやり取りが必要になるケースもあるため、ある程度のIT知識を持った人材が必要になることもあります。
その点、ノーコード開発は、このような専門知識を持つ人材がいなくてもアプリの制作が可能です。
既存のスタッフで開発を進めることができるため、新たにIT人材を採用・育成する必要がなくなります。
DX化の促進
各企業で、DX(デジタルトランスフォーメーション)化が進んでいることも、背景のひとつです。
これまで紙やハンコ対応、対面でのコミュニケーションだったものが、デジタルを活用したペーパーレス化、オンラインコミュニケーションへと移り変わっています。
特に新型コロナウイルスの影響は大きく、テレワークが主流になったことで、SaaS(Software as a Service)を導入する企業も急増しました。
しかし、SaaSの多くは仕様が固定されており、一定以上の業務要件に対応するためには専門知識やITスキルが求められる場合があります。
そこで、ノーコードツールの活用が注目されはじめました。ノーコードツールを活用すれば、IT部門に依存することなく、非IT部門でも自社に適したアプリケーションの開発・カスタマイズが可能です。
DX化に伴うデジタル活用法としては、有効的だと広がりをみせています。
ノーコード/ローコード市場の加速
ノーコードとローコード市場の加速も、注目されるようになった大きな要因です。
ITR Market VIewの調査では、以下のような調査結果が出ました。
ローコード/ノーコード開発市場の2022年度の売上金額は709億4,000万円、前年度比16.0%増となりました。市場を構成するベンダーのほとんどが売上金額を伸ばし、特に市場において大きな影響力を持つ上位ベンダーを含む6割超のベンダーで2桁以上の伸びとなったことが要因となりました。 引用:ITR Market View:ローコード/ノーコード開発市場2024 |
また、今後の市場規模推移および予測データを見てみると、2025年度には、1,000億円規模にまで拡大することが予測されています。
ノーコードとローコードの違い
ノーコードに似た言葉で、「ローコード」があります。ここでは、ノーコード開発とローコード開発手法の違いについて解説します。
ノーコードとローコードの主な違いは、コーディングの有無や作業量にあります。
ノーコードはコードを一切記述する必要がありませんが、ローコードは、必要最小限のソースコードを記述して開発を行います。そのため、ローコードは多少の専門知識が必要となります。
ただしその分、ノーコードに比べ拡張性や開発の自由度が高くなる点が特徴です。
ノーコード開発のメリット
ノーコード開発のメリットは、以下の3つです。
●プログラミングの知識がなくても開発できる
●低コストで開発ができる
●スピーディーに開発ができる
それぞれ解説します。
プログラミングの知識がなくても開発ができる
ここまで解説してきたように、ノーコードの最大のメリットは、プログラミングの専門知識がなくてもアプリケーションを開発できる点です。
社内にエンジニアがいない場合でも、開発会社に外注せずにアプリやWebサービスの開発ができるようになるのです。そのため、プログラミング知識を備えた新たな人材の採用や、既存スタッフの教育の必要もなくなります。
また、ノーコードツールの多くは直感的に操作ができるため、学習期間も短く、開発のハードルを大きく下げられます。
低コストで開発ができる
アプリやWebサービスにかかる開発費用と時間を大幅に削減できる点も大きなメリットです。
従来、ゼロからアプリやWebサービスを開発するには数百万円から数千万円のコストがかかり、開発期間も長くなりがちでした。そのため、小規模事業者や中小企業にとって、自社サービスの開発は高いハードルとなっていました。
しかし、ノーコードによってゼロからの開発が不要となり、開発費用と開発期間を大幅に削減できるようになりました。これにより、低コストかつ短期間での開発が可能になり、より多くの企業が自社サービスを迅速に市場に投入できるようになりました。
スピーディに開発・改善ができる
開発スピードが非常に速いこともメリットの一つです。
フルスクラッチに比べ、開発にかかる工数を大幅に削減できるため、早期にローンチした後すぐにユーザーからのフィードバックを得られます。
また、A/Bテスト等の施策も手軽に実施できるため、サービスの改善までスピーディに対応できるようになるのです。
その結果、本来の業務に集中できるようになり、速いPDCAサイクルでサービスのクオリティ向上に大きく役立つこととなります。
ノーコード開発における注意点
ノーコード開発において、以下の点に注意しましょう。
●自由度・拡張性が低い場合がある
●大規模・複雑な開発には不向きな場合がある
●プラットフォームに依存する
一つずつ解説します。
自由度・拡張性が低い場合がある
簡易的な開発ができる反面、プログラミングによる細かい制御が難しく、定型的な機能に限られる場合があります。
独自の機能を搭載したい企業や、プログラミングに精通した人にとっては、自由度の低さが不満になることもあるかもしれません。
ノーコードツールに搭載された機能以外の機能を実装したい場合は、他の開発手法を検討することも必要である点を抑えておくことが重要です。
大規模・複雑な開発には不向きな場合がある
ノーコード開発は、あらかじめ用意された機能のみでしか構築できないがゆえに、大規模なシステムや複雑な要件には対応できない場合があります。
細かなカスタマイズや高度な機能など、求められることが多くなる開発は、ノーコードツールでは限界があるのです。
このような場合、無理にノーコードで進めるのではなく、従来のシステム開発を依頼する方が、後戻りのリスクを減らし、スムーズにプロジェクトを進めることができるでしょう。
プラットフォームに依存する
ノーコード開発では、プラットフォームへの依存度が高いというリスクもあります。たとえば、各プラットフォームの利用料金は、提供元が値上げを行った場合、その料金に従わなければなりません。
使用するツールに依存することとなるためサービスが終了すれば、開発したアプリやシステムも利用できなくなる可能性があります。
このようなリスクを回避するためには、開発実績の多い安定稼働が期待できるツールを選定することが重要です。
ノーコード開発ツールを選ぶ際のポイント
ここからは、ノーコード開発ツールを選ぶ際のポイントについて見ていきましょう。
●目的・用途に合っているか
●料金プランは適切か
●対応デバイスの確認
●現場のスキルに合っているか
●日本語対応・サポートは整っているか
一つずつ解説します。
目的・用途に合っているか
ノーコードツールは「ECサイト制作」「業務効率化」など、各ツールが持つ機能や強みが異なります。
そのため、「どのような目的で」「どのようなアプリを作りたいのか」を明確にすることが重要です。
自社のニーズに合わせた細かなカスタマイズが可能か、対応できるテンプレートが揃っているかを細かく確認し、目的・用途に合った機能を提供しているツールを選ぶようにしましょう。
料金プランは適切か
多くのノーコードツールは、必要な機能に応じて柔軟に料金プランを選べるようになっているため、自社のニーズに最適なプランが見つけやすくなっています。
また、ノーコードツールには、無料プランやトライアル期間が設けられているものが多くあります。このトライアル期間を活用し、自社の目的に合った機能が備わっているかを確認することもおすすめです。
ツールの操作感や実際の業務での使い勝手を確認できるだけでなく、将来的に有償プランへ移行する際のコストパフォーマンスも見極めることができます。
対応デバイスの確認
ノーコードツールを選ぶ際には、そのツールが対応しているデバイスを確認することも大切です。
たとえば、スマートフォンでの利用を前提としている場合は、モバイルデバイスに対応したツールを選ぶ必要があります。
モバイル対応のツールは、スマートフォンやタブレットなどのデバイス上でスムーズに動作し、ユーザーエクスペリエンスを向上させるために最適化されています。
また、将来的なデバイスの増加や変化にも柔軟に対応できるツールを選ぶことも考慮しておくとよいでしょう。
現場のスキルに合っているか
ノーコードツールは、プログラミングの知識がなくてもアプリを作成できる点が魅力です。
ただし、中には一定のITスキルを求められたり、使いこなすのが難しいツールもあります。
そのため、現場の担当者のスキルレベルに合ったツールを選ぶことが重要です。
日本語対応・サポートは整っているか
ノーコードツールを選定する際には、サポート体制やマニュアルの充実度についての確認も必要です。
導入後に問題が発生した場合、迅速に対応できるサポートがあるかどうかは非常に重要です。ユーザーが容易に理解できるマニュアルが用意されているかも確認しましょう。
特に海外製のツールの場合、サポートやマニュアルが英語のみで提供されていることが多いため、現場でのスムーズな運用が難しくなる可能性があります。
日本語対応のサポートがあるか、または日本語のマニュアルが提供されているかを事前にチェックすることで、導入後のトラブルを防ぎ、効率的にツールを活用できるようになります。
【スマホアプリ開発】におすすめのノーコードツール
スマホアプリ開発におすすめのノーコードツールは以下の2つです。
●Adalo(アダル)
●matomaru(マトマル)
それぞれ解説します。
Adalo(アダル)
Adaloは、Webアプリからネイティブアプリまで幅広いアプリ開発が可能なノーコードツールです。
日本語の情報が少ないため、英語での操作が求められる場合がありますが、直感的な操作性が魅力です。
このツールは、ドラッグ&ドロップで簡単にカスタムアプリを作成でき、App StoreやGoogle Playへのパブリッシュ機能も備えています。
Adaloの専門家に依頼することで、より高度なアプリや洗練されたUI/UXを実現することも可能です。
特に、ネイティブアプリケーションの開発に特化しており、独自ドメインの利用やカスタムWebドメインの設定もできます。
Adaloを活用することで、開発の負担を軽減しつつ、他社にはないサービスを展開することができるでしょう。
matomaru(マトマル)
matomaru(マトマル)は、ノーコードでアプリを開発できる便利なツールです。
特に飲食業、小売業、ゴルフ場、商業施設、美容・サロン、温浴施設など、さまざまな業界で導入されています。
matomaruの強みは、プログラミングの知識がなくても直感的な操作でアプリを作成できる点にあります。
累計12,000店舗以上の導入実績があり、その信頼性と実用性は高く評価されています。
matomaruの特徴には、カスタムWebドメインの利用や、App StoreやGoogle Playへのパブリッシュ機能が含まれています。
また、アプリ・メール・LINEの各ユーザーへ一括配信できる機能や、ツールごとのデータ分析を一画面で行える機能も備えており、業務効率化に貢献します。
このツールは操作が簡単でありながら、多様な業務に対応できるテンプレートが豊富に用意されているため、開発までのスピードも早いのが特徴です。
ノーコードアプリ作成ツール「matomaru」の事例
ノーコードアプリ作成ツール「matomaru」の事例を2つ紹介します。
●エステサロン・ミスパリの事例
●株式会社AXISの事例
エステサロン・ミスパリの事例
「心も体も美しく健やかな人づくり」を企業理念に掲げ、40年以上に渡りエステティック業界をリードしてきたミス・パリ・グループは、ノーコードツールを活用し、「会員証アプリ」を開発しました。
アプリ開発後に得られた効果として、一定期間来店のなかったお客様が再度来店するようになったり、アプリ内にオンラインショップへの動線を設けたことで、オンラインショップの売上向上にも繋げられています。
ノーコードツールでは、アプリ内コンテンツに加え、他システムとの連携やWebサイトへの動線を持たせるアプリの作成も可能です。
エステサロン・ミスパリのインタビュー記事はこちら
株式会社AXISの事例
外の美・内の美・心の美の“三方美し”をブランドステートメントとして掲げ、全国のサロンから愛用されている株式会社AXISは、「業務効率化」を目的にノーコードツールを活用しアプリを開発しました。
配信業務と問合せ受付け業務の一元化を行い、業務効率化を実現しました。
また、アプリデザインは自由なカスタマイズ機能を活用し、ブランドイメージにあわせた自社のオリジナルアプリとなっており、ブランドの認知度を高めています。
株式会社AXISのインタビュー記事はこちら
最短でDX化を実現するなら、ノーコード開発ツールがおすすめ
本記事では、ノーコード開発の特徴やローコードとの違い、開発ツールを選ぶ際の注意点などについて解説しました。
多くのノーコードツールは、アカウント作成後、決められた期間であれば無料で試せるので、まずは実際に触ってみるのがおすすめです。
また、サービス内容についてもツールごとに異なるので、自社に最適な開発ツールを選択しましょう。
「matomaru」はノーコードアプリ開発ツール
弊社が提供するサービス「matomaru」は、ノーコードアプリ構築ツールです。
飲食や小売、ゴルフ場、商業施設、美容・サロン、温浴施設など、幅広い業界で導入いただいております。
豊富なアプリ機能だけでなく、顧客のデータ管理・分析を一元化できるため、販促活動の課題を明確化し、施策改善にも活用できます。また、アプリと各ツールを連携を連携させることも可能です。
ノーコードツールを活用して自社アプリを開発したい企業様・ご担当者様は、お気軽にお問い合わせください。
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