昨今では、多くの企業は集客や販促のための施策として、オンライン施策に注力しています。
インターネットの普及で、Webサイトが集客に欠かせないものとなったいま、「Webサイトのアプリ化」によるユーザーエクスペリエンスの向上やメリットに注目が集まっています。
本記事では、Webサイトのアプリ化とは何か?その方法と、メリット・デメリットを詳しく解説します。
Webサイトのアプリ化について理解して効果的に活用することで、顧客満足度の向上とビジネスの成長につなげましょう。
目次
「Webサイトのアプリ化」について
Webサイトのアプリ化とは、ブラウザ経由で提供しているサービスを、アプリ経由でも利用できるようにすることです。
通常のWebサイトはブラウザを介して表示されますが、アプリ化することでスマホやタブレットにインストールしたアプリから直接アクセスできます。
アプリ化によって高速かつシームレスな操作が可能となり、ユーザーエクスペリエンスの向上が期待できます。
特にECサイトやニュースサイト、ポータルサイトのように頻繁にアクセスされるWebサイトは、アプリ化に適しているといえるでしょう。
Webサイトをアプリ化することで、アクセス数の増加やコンバージョン率の向上が見込めます。
Webサイトをアプリ化するメリット
Webサイトをアプリ化すると、以下のようなメリットがあります。
●ユーザーがアクセスしやすくなる
●プッシュ通知を利用して最新情報を提供
●アプリならではの機能を搭載できるようになる
●多方面からアプローチができるようになる
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
ユーザーがアクセスしやすい
通常のWebサイトは、URLを検索してブラウザでの入力が必要です。
しかし、サイトをアプリ化するとスマホのホーム画面にアイコンが表示されるため、タップひとつで直接サービスにアクセスできます。
この「直接アクセスができる」という点は、ユーザーの利便性を向上させ、サイトへの訪問が迅速かつシームレスになります。
特に頻繁に利用するサイトの場合、アプリ化によりアクセスの手間が削減され、ストレスなく情報取得やサービスの利用ができるでしょう。
アプリ化によってユーザーの満足度・利便性が高まり、リピーターとして定着しやすくなる効果が期待できます。
プッシュ通知を用いたアプローチができる
プッシュ通知はスマホのホーム画面上で情報をユーザーに提供し、アプリへのアクセスを促すことができます。
ユーザーは通知内容を確認してから必要な情報かどうかを判断し、アプリを起動できるため、時間の無駄がありません。
また、企業側はクーポンの期限やキャンペーンの終了間際にリマインダーを送るなど、的確なタイミングでユーザーにアプローチできます。
プッシュ通知によるユーザーエンゲージメントの向上は、アプリ化の大きなメリットの一つといえるでしょう。
アプリならではの機能を搭載できる
アプリならではの機能を活用することで、ユーザーの利便性を高め、より快適なサービス体験を提供できます。
例えば、QRコードを用いた会員証管理やクーポンの発行、ポイントカードの利用などアプリ化によって実現可能な機能は多数あります。
また、アプリとチャットボットを組み合わせることで、ユーザーがチャット上で悩みを解決できるようになれば、問い合わせ対応業務が軽減され、かつ顧客満足度を向上させることも可能です。
アプリ化によって、Webサイトだけでは提供できなかった付加価値の高いサービスを実現可能となります。
多方面からアプローチができるようになる
アプリ化により新商品の紹介やクーポンの配布など、直接的なマーケティング手段が増加します。
さらにアプリをSNSと連携させることで、これまでWebサイトの訪問者に限定されていたリーチを超え、より広範なユーザー層にアプローチすることが可能になります。
このようにWebサイトをアプリ化することは、新たな顧客層の獲得や既存顧客とのエンゲージメント強化に寄与し、結果として集客力の向上が期待できます。
Webサイトをアプリ化するデメリット
Webサイトのアプリ化によるメリットは多数ありますが、デメリットもあるということを抑えておきましょう。
●ダウンロードやインストールの手間がかかる
●アンインストールされるリスクがある
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
ダウンロード・インストールの手間
通信料やデバイスの容量を気にするユーザーにとっては、インストールのハードルが高く感じることがあります。
また、アプリをインストールした後もプッシュ通知の承認や個人情報の入力など、利用開始までのプロセスが多いと、面倒だと感じられる可能性があります。
プライバシーの観点から、設定をためらうユーザーもいるでしょう。
アプリの存在を知ってもらい、インストールにつなげるためには魅力的な特典や利点を提供し、ユーザーを説得する施策が不可欠です。
さらに、アプリのデザインや紹介文などもインストール率に影響を与えるため、慎重に検討する必要があります。
アンインストールされるリスク
ユーザーは「使用頻度が低い」「プッシュ通知が多すぎる」「ストレージの容量を圧迫する」と感じた場合、アプリを削除することがあります。
アンインストールにより事業者はユーザーとの直接的なコミュニケーション手段を失い、顧客エンゲージメントの機会を逃すことになります。
アプリを継続して利用してもらうためには定期的なアップデート、ユーザーからのフィードバックの収集と改善、そして継続的な価値提供が必要です。
また、競合他社との差別化を図り、ユーザーにとっての明確な利用メリットを提供することが求められます。
企業・店舗にアプリがおすすめな理由
企業や店舗は、アプリを活用することで顧客との接点を増やすことができるため、エンゲージメントの向上につなげられます。
アプリがおすすめな理由は以下となります。
●ユーザーとの接点を増やすことができる
●ブラウザにはない多彩な機能を搭載できる
●スタッフの業務を効率化できて負担軽減につながる
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
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ユーザーとの接点を増やせるから
アプリを活用することで、ユーザーとの接点を増やすことができます。
接点を増やせるということは、再来店のきっかけづくりの機会が増え来店率の向上につなげることができ、結果的に売上の向上にもつながります。
プッシュ通知を通じて、新しい情報やキャンペーンを直接ユーザーのスマートフォンに届けることで、ユーザーをリピ―ターへと育成することができます。
また、タイムリーな情報提供はユーザーの満足度を高め、結果としてエンゲージメントの向上にも期待できます。
顧客との強い結びつきを築きたい店舗にとって、アプリは有効なツールといえます。
ブラウザにはない多彩な機能を搭載できるから
アプリは、ブラウザでは実現しにくい独自の機能を提供することも可能です。
そのため、ブラウザでは実施できなかった施策が、アプリを使うことで実施できるようになります。
例えば、ポイントカードやクーポン機能をアプリに搭載し、アプリ上でポイントカードもクーポンも管理ができるようになれば、ユーザーはよりスムーズなサービス享受が出来るようになり、利便性が向上することで再来店につなげられます。
さらに、チャット機能を通じた直接的なコミュニケーションや、会員専用ページの提供により、集客や売上増加に寄与します。
アプリ特有の機能の活用は、ユーザーに新しい体験を提供し、ビジネス成長の強力な推進力となるでしょう。
スタッフの業務を効率化できるから
アプリを導入することで、スタッフの業務効率化が図れます。
例えば、プッシュ通知機能の活用で、店舗の情報を配信するようにすれば、配布するチラシの作成や封入作業などの、販促にかかっていた手間を省くことができます。
また、ポイントカードや会員情報をアプリ内で一元管理することで、顧客データ管理が容易になり、マーケティング施策に最大限にデータを活用することができます。
これにより、スタッフは顧客サービスの向上や、他の業務により多くの時間を割けるようになるでしょう。
アプリを活用することで業務効率化を促進し、企業や店舗全体の運営効率を向上させる効果にも期待できます。
こういった理由により、アプリを導入する企業が増えているといえるでしょう。
「Webサイトをアプリ化する」方法
Webサイトをアプリ化する方法は、主に2つあります。
●方法1:PWA(プログレッシブウェブアプリ)
●方法2:Webview(ウェブビュー)
それぞれの方法について、詳しく解説します。
方法1:PWA(プログレッシブウェブアプリ)
PWA(プログレッシブウェブアプリ)は、Googleが2015年に発表したWeb技術で、Webサイトをアプリのように機能させることができます。
PWAを使用するとユーザーはアプリストアからダウンロードすることなく、ブラウザ上で直接アプリを利用できます。
ホーム画面にアイコンを追加してワンクリックでアクセス可能になるため、ネイティブアプリに近い使い心地が提供可能です。
また、プッシュ通知の送信や、高速なページ読み込みが可能で、ユーザー体験を向上させます。
ただし、PWAの導入にはHTTPS環境が必要であり、OSやブラウザによっては利用できる機能に制限があるため、その点は注意をしましょう。
方法2:Webview(ウェブビュー)
Webviewは、スマホアプリ内でWebサイトを表示する機能で、多くのアプリで導入されている一般的な手法です。
OSに依存せずに開発できるため、アプリ開発の時間と費用を削減できる利点があります。
プッシュ通知の送信やホーム画面へのアイコン追加など、他のアプリと同様の機能を実装することが可能です。
既存のWebサイトが持つコラムやブログ、EC機能や予約機能をそのままアプリに取り込むこともできます。
ただし、Webviewページばかりのアプリはストア申請時に却下される可能性があるので注意が必要となります。
PWAの特徴
PWAはWebサイトとアプリの利点を兼ね備えたハイブリッドなWebアプリです。
主な特徴は、以下となります。
●アイコンがホーム画面に表示される
●ネイティブアプリに近いUIが実現できる
●OSやブラウザによって対応機能に制限がある
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
アイコンがホーム画面に表示される
このアイコンはスマホやタブレットのホーム画面に配置され、ネイティブアプリのような感覚でWebサイトへアクセスできるようになります。
ユーザーはブラウザを開いてサイトを検索する手間なく、直接ホーム画面に追加されたアイコンをタップするだけでWebサービスを利用できます。
この一手間の軽減はユーザーにとって利便性をもたらし、サイトへの訪問頻度を高めることが期待されます。
また、ホーム画面に常時表示されることでサービスの視認性が向上し、ユーザーのエンゲージメントを促進する効果があります。
ネイティブアプリに近いUIが実現できる
PWAを用いてサイトをアプリ化すると、ネイティブアプリに近いユーザーインターフェース(UI)を実現することができます。
UIはユーザーとの直接的な接点であるため、違和感なく使用してもらうために重要な要素です。
PWAでサイトを開くとブラウザ上のアドレスバーやブックマーク、その他のアイコンが表示されず、ネイティブアプリに近い表示になります。
ネイティブアプリのようなUIをWeb上で実現することで、ユーザーの満足度を高められます。
OSやブラウザによって対応機能に制限がある
PWAは多くのメリットを持つ一方で、OSやブラウザによって対応機能に制限があるというデメリットがあります。
例えば、Androidではプッシュ通知の送信が可能でも、iOSでは機能が制限される可能性があるのです。
日本国内ではネイティブアプリユーザーが多いという特徴があり、両方を同時に開発する場合は高コストになるリスクがあります。
さらに、インストール数やアンインストール数の計測が難しいため、利用者数の把握が課題となるでしょう。
Webviewの特徴
Webviewは、アプリ内でWebページを表示する技術です。
主な特徴は、以下となります。
●OSに関係なくWebページが使用可能
●ページの更新が容易に行える
●ネイティブアプリと比べ動作が重くなる場合がある
それぞれについて、詳しく見ていきます。
OSに関係なくWebページが使用可能
Webviewの大きな特徴であり、PWAとの主な違いは、OSに関係なくWebページを使用できる点です。
Webviewはブラウザ上のサイトと同様にHTMLやCSSを用いてページを表示するため、iOSとAndroidで同じ機能を利用することが可能となります。
開発者はOSごとに異なるコードを書く必要がなく、既存のWebアプリケーションをそのまま利用できるため、開発の効率化が図れます。
ページの更新が容易に行える
Webviewを使ってサイトをアプリ化した場合、ページの更新が容易に行える点もWebviewの特徴です。
ネイティブアプリではページの更新や情報の変更にストアからの承認が必要な場合があります。
しかし、Webviewを使用してWebアプリを開発すれば、コードのアップロードのみでページの更新・修正が可能となります。
申請や承認は不要であるため、素早く最新の情報にアップデートできます。
ネイティブアプリと比べ動作が重くなる場合がある
Webviewを用いたアプリでは、ネイティブアプリに比べて動作が遅くなることがあります。
これは、Webviewがページ表示のためにサーバーとの通信を必要とするためで、サーバーの応答速度やデバイスの処理能力によっては速度が低下します。
動作が重くなるということは、ユーザー体験を損ない離脱率の増加につながるため、デメリットとして考慮する必要があります。
そのため、画像やコンテンツの最適化を行い、表示速度の改善に努めることが重要です。
アプリ化を検討する場合は、PWAとWebviewの特徴を理解した上で、目的に合った方法を選択することが大切です。
Webサイトをアプリ化するにはアプリ用の開発が必要
アプリ化の費用は搭載する機能と開発期間によって異なりますが、機能の仕様やセキュリティ要件によっても大きく変わるため、一概には言えません。
開発方法には0からアプリを開発するフルスクラッチ開発と、既存の機能を組み合わせるクラウド開発があります。
また、Webサイトとは異なるプログラミング言語やスキルが求められ、新たなエンジニアの確保も必要です。
人件費が開発コストの大半を占めるため、エンジニアの選定には注意しましょう。
新規構築の場合はアプリ化を見込んだサイト設計が必要になることも
新規にWebサイトを構築する際、将来のアプリ化を見越して設計することが重要です。
モバイルデバイスに適応したレスポンシブデザインの採用や、アプリ特有の機能の追加が必要になることがあります。
アプリ化しやすい環境での開発は後のプロセスをスムーズにし、コスト削減にも寄与します。
ユーザーが快適にアプリを利用できるような設計は、継続的な利用を促すために不可欠です。
フルスクラッチ開発は自由度が高いが時間とコストがかかるのに対し、クラウド開発は低コストで迅速な開発が可能ですが、自由度に制限がある点を考慮し、自社に見合った方法を選択して、サイトを設計するとよいでしょう。
Webサイトのアプリ化は、matomaruがおすすめ
Webサイトをアプリ化したいと考えている方におすすめなのが、matomaruです。
matomaruはオリジナルアプリが作成できるツールで、Webview機能を活用してWebサイトをアプリ化することも可能です。
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